ひろちゃんだって女の子*T ページ24
「太輔〜、ひろお風呂入れといて」
「はーい。ひろ、おぽちゃだよ〜」
「おぽちゃ!」
今日もひろは太輔にべったり。
べつに渉にも高嗣にも健永にも甘えるんだけど、太輔には特別甘えたがるの。
お風呂も私より、太輔と入る方が楽しいみたい。
「…それ、だめじゃね?」
「うん、私もそう思う」
「えっ、なんで」
パート終わり、同僚のふたりとお茶しに来た喫茶店で、思わずポカンとしてしまう。
「いや、太輔くんって男の子でしょ?ひろちゃん女の子なんだから、いつまでも一緒にお風呂は入れないっしょ」
「玉はそういうとこ無頓着だからね〜」
宇宙(そら)ちゃんがコーヒーをかき混ぜながら溜め息を吐くと、あんちゃんは隣で嘲笑うように紅茶を啜った。
私も目の前のオレンジジュースを眺めると、更に宇宙ちゃんは続ける。
「多分さ、太輔くんの方から気付く日来ると思うよ。そうなったら可哀想だし、今のうちから徐々に離してお風呂入れなよ」
「今だからひろちゃんだって太輔くんにべったりかもだけど、成長して来たら胸だって膨らむでしょ?変に気にして気まずくなるよりよっぽどいいって」
追い打ちをかけるようなあんちゃんの言葉に、私は曖昧な返事しか返せなかった。
「やぁだぁ〜〜!!たいちゃ!!おぽちゃ、たいちゃ!!!」
「ん〜、ひろ。今日だけ、パパと入ろう?」
「うぁあぁ!!たいちゃぁぁあっ!!!」
…なんと。
とりあえずパパと入らせて、次はママと、だんだんひとりで入らせようって結論に落ち着いたんだけど。
当のひろはパパに抱き上げられると大暴れで大泣き。
太輔はその様子を嬉しいような悲しいような目で見つめている。
「…ひろ、ごめんな。お兄ちゃん今日はひとりでおぽちゃするから…」
「…たいちゃ、ひっく…ごめんなさい、ひっく。きらいきらい、やだっ…」
ひろは太輔にしがみつき、嗚咽を繰り返しながら謝り続けてる。
…もうその場にいる全員が限界だった。
「…っきらいになんてなるわけないだろっ!!ごめんなひろ!お兄ちゃんとおぽちゃしよう!!!」
「たいちゃ〜!!」
「…で、結局まだ太輔くんとお風呂入れてる…と」
「玉、バカなの?」
「いーの。太輔とひろが楽しそうならそれで♪」
宇宙ちゃんとあんちゃんがポカンとするけど、子供の幸せを願うのが親の仕事だからね。
今日もお風呂から聞こえてくる陽気な歌声を、小さな幸せを感じながら耳に挟むのだ。
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谷森山(プロフ) - たみさん» もうおたまママからしたら、「えっ?太輔みっちゃんと結婚するんだよね?」の勢いですね笑 続編もちまちま作成していますので、そちらもお付き合いくださいますと嬉しいです〜(*^^*)お願いいたします(^o^) (2016年5月16日 13時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
たみ(プロフ) - 甘々カップルエピソードも気になります!w ドキドキしてるたいぴーかわいいです。これからも楽しみに読ませていただきます。ファミリー大好きです。 (2016年5月4日 18時) (レス) id: ab325a56e8 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - (・8・)さん» ご感想ありがとうございます(*^^*)!なんとお兄様と読んでくださって!?光栄です(∩´∀`∩)優しいお兄様なのですね、私もほっこりしました(*^^*)よければ今後のお話も、お付き合いくださいますと嬉しいです。 (2016年4月8日 4時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
(・8・) - こんにちは!ことりです!私は末っ子でみっちゃんみたいな感じなんですよ…年の離れた兄が4人もいるので、この小説を二番目の兄と見てボロボロ泣きました。親が共働きでほぼと言っていいほど兄にお世話になっているので…この小説で家族の絆が強まりました!! (2016年4月6日 20時) (レス) id: 517f0d7eb3 (このIDを非表示/違反報告)
谷森山(プロフ) - 345さん» ご感想ありがとうございます(*^o^*)おお、お子様がたくさんいらっしゃるのですね。恥ずかしながら私も母に感謝の言葉を述べた事がないので、お話を作りながら色々考えてしまいました(笑)。こちらこそ、素敵なコメントありがとうございました(*^^*) (2016年3月29日 6時) (レス) id: 2433512750 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:谷森山 | 作成日時:2015年11月13日 1時