23話 客寄せパンダ ページ25
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「おっ、今驚いたな?
初めてお前の人らしい感情を見たが中々可愛いじゃねェか!普段からもそう愛想良くしてればいいのによ」
「…余計なお世話です。表情が変わらないのは生まれつきですよ。」
「ふぅん、そうかい。」
探るような目でジっと見られたが、私も負けじと見つめ返した。
「だが、そういうわけにもいかねぇんだよなァ」
「…どういう意味です?」
宇隨さんはニヤリと悪ガキがイタズラを企んでいるかのような顔をした。
嫌な予感がする
「だってお前には――――派手に客寄せになってもらうからな!!」
「は?」
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「なぜ私が客寄せパンダの真似をするんです。どうせなら派手で目立つ宇隨さんがパンダになり、聞き込みをなさればよろしいのでは」
「誰がハンサムだ!」
「言ってません!それ言いたかっただけですよね。」
宇髄さんは私を楽しそうにからかっている。
冷静になるためお茶を1口ゆっくり飲んで心を落ち着かせた。
彼のペースに呑まれてはいけない…。
「それで…なぜ私が客寄せを?」
「理由は2つある。」
彼は打って変わって真面目な表情になり、私を見た。
「1つは、さっきも言ったがこんな人口の多い町で1軒ずつ聞き込みなんざ、効率が悪すぎる。何ヶ月掛かるかもわからん。だから情報を多く握っている者に限定して、話を聞く」
「それはこの町の商人と富豪ですか。」
「あァそうだ。派手に察しがいいな。」
この町の流通に関わっている商人や豪富達は普段から人の出入りの中心にいる。彼らが情報を握ってる可能性は高い。
「商人も豪富も派手で珍しいもんが大好きだ。だからお前を選んだ。」
「…」
つまり、私の容姿の珍しさで客を引くということか。
私は人とかけ離れた自分の容姿が好きではない。
思わず黙り込んでしまった。
「いやか?」
「構いませんよ。宇隨さんがやるより私の方が確実ですからね。喜んで見世物になりますよ」
「派手にトゲのある言い方だな…」
申し訳なさそうに目を逸らされる。心做しか落ち込んでいるように見えて驚いてしまった。
「気にしないでください、仕事とあらば情なんてものは捨てますよ。」
「…わりぃな」
「いえ、…ところで2つ目の理由はなんです?」
少し申し訳なくなる。せめてもの償いに話題をさっさと逸らした。
「あぁ。2つ目の理由はな、俺がお前の派手に着飾った姿を見たいからだ!」
…前言撤回。ぶっ飛ばすぞコノヤロウ
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リートにゃむだ(プロフ) - 叶乃さん» ありがとうございます!!嬉しいです!めっちゃやる気出ました!これからも是非見てくださると嬉しいです!♪ (2023年2月9日 14時) (レス) id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても面白かったです!内通者って言う設定がとても面白いです…!これからもが頑張ってください! (2023年2月8日 23時) (レス) @page21 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - ぺぽんさん» ありがとうございます…!凄く嬉しいです!!文才がない私が答えるのも烏滸がましいですが、助詞をなるべく使わない、空白と漢字を使いまくり文章をなるべく短くする。ってことくらいです。読みやすいと言われたのは初めてでテンション上がってしまいました笑。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page14 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - こんにちは、物語楽しく読ませてもらっています! 読みやすく書かれているのに主人公の心情も分かりやすいので続きが楽しみです! 私も小説を書いているのですが、文章がごちゃごちゃして読みづらく…にゃむださんは書くときに、何か気をつけていることはありますか? (2023年2月7日 18時) (レス) @page13 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - 気づきませんでした。報告感謝です! (2023年2月6日 19時) (レス) @page7 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リートにゃむだ | 作成日時:2023年2月6日 18時