22話 元忍び ページ24
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こうなった経緯を話そう…
鬼を探るため気配や探索をしたものの、痕跡を見つける事はできなかった。
そのため聞き込みが必要になる。
幸運な事に、この町は商人が多い。おかげで金回りが多く、金持ちも多かった。
金の出入りが多ければそれに比例して人の出入りも増える。聞き込みには困りそうにない。
だが、こんな大きい町を回って話を聞いていくのはあまりにも非効率的な為、1番人通りの多い場所で、この件に関係してそうな話を『聞き分ける』と宇隨さんが言い出したのだ。
「話を聞き分けるって…この町、は町と言うよりほぼ都市に近いんですよ。無数の人からどうやって」
「あぁ、それなら心配には及ばねぇぜ!なんてったって俺は神だからな!」
…は?
「……お前いま失礼な事思ったな?」
「いいえ、気のせいです。」
自信たっぷりの表情から打って変わって、ジトっとした目で見られる。情緒が困った人である。
「まぁいい。」
「…」
私達は立ち話もなんだと私達は茶屋で休憩しながら今後について話し合っていた。
団子をたいあげ、一息ついた後、私はもう一度聞いてみる。
「それで宇隨さん。さっきの話に戻りますけど、どうやって話しを聞き分けるんですか?」
「だから言ってるだろ。俺は神だから、お前らにできない事でもできちまうンだよ。派手にな。」
「真面目に」
「ったく、お前はうんともすんとも言わねェな。もう少し余裕を持って生きようぜ。」
やれやれと肩を竦めてみせられる。少しイラッとしたのはここだけの話だ。
私は宇隨さんが苦手だ。
何故かと言うと彼は全く気配がしないのだ。今日もそうだ。話しかけられるまで彼が居ることにすら気づかなかった。
私は昔いた環境により気配には人一倍敏感であった。
鬼と人間の気配を嗅ぎ分けたり、20mほど離れた鬼の気配でさえも察知することが出来る。
にも関わらず、この人の気配を感じる事が出来ない。
こんな2m先からでも分かりそうな奇抜な格好をしていてもだ。
性格は特に嫌いでは無いのだが、人の気配を察知することが当たり前となっていた私にとって、正直気味が悪かった。
「俺様は耳が特段にいいからな。無数の人間の中から話しの内容を聞き分ける。なんてのはァ造作もないことよ」
「特段に耳がいい?生れつきですか?」
「まぁそれもあるが、大半は訓練で得たものだ。
なンたって、俺様は元忍びだからな」
「!!」
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リートにゃむだ(プロフ) - 叶乃さん» ありがとうございます!!嬉しいです!めっちゃやる気出ました!これからも是非見てくださると嬉しいです!♪ (2023年2月9日 14時) (レス) id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 初コメ失礼します!作品とても面白かったです!内通者って言う設定がとても面白いです…!これからもが頑張ってください! (2023年2月8日 23時) (レス) @page21 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - ぺぽんさん» ありがとうございます…!凄く嬉しいです!!文才がない私が答えるのも烏滸がましいですが、助詞をなるべく使わない、空白と漢字を使いまくり文章をなるべく短くする。ってことくらいです。読みやすいと言われたのは初めてでテンション上がってしまいました笑。 (2023年2月7日 21時) (レス) @page14 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - こんにちは、物語楽しく読ませてもらっています! 読みやすく書かれているのに主人公の心情も分かりやすいので続きが楽しみです! 私も小説を書いているのですが、文章がごちゃごちゃして読みづらく…にゃむださんは書くときに、何か気をつけていることはありますか? (2023年2月7日 18時) (レス) @page13 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
リートにゃむだ(プロフ) - 気づきませんでした。報告感謝です! (2023年2月6日 19時) (レス) @page7 id: b781749068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リートにゃむだ | 作成日時:2023年2月6日 18時