歪んだ世界

36話 ページ37

「別に…アヤトのせいじゃないよ。私の…警戒不足でこーなったんだし」


"自業自得だよ"と言った


アヤト「A」


と呼ばれてアヤトを見ると


アヤト「…本当お前バカだわ」


私を壁に押し当てギプスが付いていない腕は


アヤトの手によって拘束され


ギプスが付いた腕は優しくギュッと手を握り


私の足の間にアヤトの足が挟まれ身動きが取れなかった


するとアヤトが首に顔を埋めてきた


少しズキッと痛んで苦痛の顔を私は浮かべた


「アヤ…ト？何したの？」


アヤト「俺の物だって印と匂いつけた」


「何私はアヤトの餌？」


アヤト「強いて言うなら俺の…」


"恋人かな"と唇にキスを落とした


「…ん」


と声を出すと角度を変えて何度もキスを降らせた


アヤト「……(ﾎﾞｿｯ…きだ」


「え…なんて言った？」


アヤト「黙ってろ」


アヤトの悲しさを、悔しさを受けるように


私にずっとキスをして


アヤトは私の頬に手を添えた


アヤト「…もう…お前に触れる事は…いや…なんでもねぇ」


ギュッと存在を確かめるようにアヤトは私を離さなかった


「ねぇアヤト？今日…変だよ？」


"何かあったの？"そう聞いても彼は黙って抱きしめるだけだった


アヤト「伝言。明日の午後、待ち合わせ」


"黒ラビットより"その内容に私は耳を疑った


「アヤト…黒ラビットと…お友達なの？」


アヤト「……さぁな」


"満足したから帰る"わしゃわしゃと私の頭を撫でて彼は私を残して消えてしまった


なんの収穫もないまま、私がCCGに戻ると


滝澤「お疲れさ…！？A！首！き、き、キスマーク！？」


"一体誰に！？"と通りすがったアキラさんにも聞こえていたようで


アキラ「彼氏なんて私は聞いてないぞ！」と問い詰められたのは言うまでもない


そしてそのあと有馬に呼ばれ


私の対象喰種駆逐期間が迫った話を聞いた

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