歪んだ世界

34話 ページ35

アキラ「A」


「はい」


アキラ「…まだ悔やんでいるのか？」


「…いいえ。喰種捜査官に死はつきものです。」


アキラ「ならなぜAはそんな顔し((「失礼します」A！」


あの事件から半年経ってもAは立ち直る事が無かった


アカデミーの図書館にも姿を見せなくなった


あの、眩しかった笑顔も見れなくなって


ふさぎ込んでしまったんだ…何もかも全て


そして時折Aは誰もいない、誰にも見られないところで泣いていたんだ


それからだな。Aだけ特例で1人捜査を始めたのは


滝澤「え…？1人捜査？」


アキラ「あぁそうだ。有馬特等の命令でな。本来許される行為ではないがな」


あの事件から2年経つと


ようやくAが元気を取り戻したんだ


前のように明るくは無かったが


元気だと分かるようにはなった


ただ、ずっと真顔でよく観察するようになった


アキラ「ここが今のAの始まりであり過去の全てだ」


滝澤「凛堂准特等って……重いもの背負ってきたんだな」


アキラ「あぁ…私達より幼かったんだぞ？耐えられるか？私は…耐える自信がない」


アキラさんの声は震えていた


アキラ「今回だってそうだ…死ななかったから良かったものの…」


アキラさんの鳴く声が廊下に響き渡った


滝澤「真戸…一緒に頑張ろう」


アキラ「…は？」


滝澤「俺だって凛堂准特等が心配だし…支えてあげられるのは俺らだけだろ？」


"笑わせてみよーぜ！"と元気な声が聞こえた


アキラ「…あぁ。そうだな。Aを支えられるのは私達だけだ。」


"やるなら徹底的にやってやろうじゃないか"


泣いてた声と裏腹に


覇気がある声が聞こえて私はその場を立ち去った


「……ありがとう」


ポタリポタリと病院の床に涙が溢れていくのがわかった

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