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「A……？」
『こんなところで何してるんですか？』
訝しげに俺を見つめる顔は
間違いなくAだ。
俺は喜びを抑えきれずに
Aに抱きつく。
絶望の涙から喜びの涙へと変わり
相も変わらずに頬を流れ続けた。
しばらくして
Aが口を開いた。
『殴らないんですか……？』
「……え？」
『私勝手に外出したから……怒られるのかと思って……』
Aの声量は
だんだん尻すぼみになっていく。
言われて考えるが
Aが勝手に外出して
心配はしたものの
怒りの感情は全く湧いてこなかった。
きっと
レトさんに殴られたことが
トラウマになっているのだろう。
Aの体の小刻みな震えが
それを物語っていた。
俺はAを安心させるように
泣き声を何とか抑えて
優しく語りかけるように言った。
「そんな事しねぇよ。」
「それに言っただろ？レトさんよりもAを幸せにするって。だから絶対に殴ったりしねぇ」
そう、俺は確かに言った。
レトさんから電話が掛かってきたあの日に。
あの時は冗談だって言ってしまったけど
今度は誤魔化さない。
だって
俺の心からの本心だから。
俺の言葉を聞いたAは
『そっか……本当に……本当にありがと、キヨくん』
と言いながら
俺を抱きしめる腕の力を強めた。
『キヨくんに出会えて良かった』
そう言いながら
しゃくり声をあげるA。
その言葉を聞けて
俺は本当に嬉しかった。
やっと、
やっとAの心が手に入った。
そんな気がした。
一度掴んだものは絶対に離さないよ。
これからも
俺のそばにいてね、A
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
【作者余談】
この話を最後まで書き終えたところで、間違えて全て消しました。半泣きになりながら書き直しました。
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ひばり(プロフ) - emiさん» 前作に引き続き読んでいただきありがとうございます〜！！すごく嬉しいです……！これからも応援よろしくお願いします！ (2020年5月29日 7時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - 待ってました！！(誰) 前作も見ていました！ひばりさんの作品大好きなんです！！体に無理がない頻度で、更新頑張ってください！ (2020年5月29日 5時) (レス) id: ec0b5da59b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひばり | 作成日時：2020年5月28日 7時
