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彼女と出会った日 ページ2

私が彼女と出会ったのは、中学生の時だ。




田舎だった私の小学校では、殆どの生徒がみな同じ中学校にエスカレーター式に進学するのだが、Nは私の小学校よりももっと小さい小学校からやって来た。

私と同じ小学校だった20人と、Nと同じ小学校からやって来た5人を合わせて25人。
これが私の中学の時のクラスのメンバーだった。
まぁ、いかんせん田舎なもんだから1学年1クラスは当たり前。もちろんクラス替えなんてものも無かった。



…私としては殆どが顔見知りだし、少人数の方がやりやすかったため、人数が少ないことにはなんの不満もなかった。

ただ…


私がアニオタという事を暴露してなかったのもあるのだが、とにかく趣味が合う友達がいなかった。アニメの話をする事のみならず、その上腐女子だった私は、推しカプ語りなんて夢のまた夢で、とにかくその手の友達に飢えていた。
スマホでもあればよかったのだが、当時の私はガラケーだった。


そんな中、(それもどうなんだとは思うが)腐女子を公言しているNと出会った。語りたい。好きなアニメは?好きなキャラは?推しカプは??…と質問攻めにしてやりたい気持ちを抑えつつも、チキンだった私はそんなNを傍目に、親友のAといつも通り何気ない日々をやり過ごしていった。

…私が単にチキンだったのもあるのだが、当時の私はたまたまちょっと勉強が出来たため、アニメなんて見ない。いつも勉強ばかり。などというイメージを押し付けられ、「はい!!私アニメ好きです!!!腐ってます!!!誰か語りませんか!??」なんて言えるわけがなかった。

怖かったのだ。

イメージが壊れるのが。
軽蔑されるのが。
小さな私の世界の大切な居場所を失うのが。

だから、腐女子を公言した上で周りにも受け入れられて、好きなことを好きなようにしてるNが羨ましかった。大袈裟に言えば、憧れてた。後ろめたさを感じることもなく、毅然な態度をとっているNが。近づきたかった。

でもそれも叶わぬ夢だと思っていた。

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作者名:イイヅカ | 作成日時:2018年6月24日 17時

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