好きだから、嫌いになる。 ym . in (ページ35)

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Ep.35 ページ35

伊野尾side

「おー、山田ー」

「伊野尾さんがこういうとこ来るの珍しいですね」

席に座った山田は、店内を見渡すと俺と同じものを注文した

「急に呼び出してごめんな。大ちゃんが俺のスマホからメッセージ送ったんだよ」

「やっぱり、すぐ別の人って気づきましたよ。まぁでも、俺も暇してたんで全然平気です。こういうカフェ好きだし」

山田がカフェ好きって、ちょっと意外かも

1人で来たりすんのかな、···それとも

「はいっ、コーヒーお待たせしましたー。ちょっと伊野ちゃん、顔怖いよ！」

「え？そうかなぁ」

コーヒーを運んできた大ちゃんに、ほっぺを摘まれる

怖い顔って、なんで俺そんな顔してんだ

「じゃ、ごゆっくりー」

席から離れていく途中、山田に見えないところで俺にガッツポーズをしてきた

がんばれ、か、

そんなにかしこまると何話していいか分かんないな

それに、よく考えたら昨日の今日じゃん

およそ半日ぶりの会話よ

やばい、急に話題が出てこなくなっちゃった

どうしよ、どうしよ、

「伊野尾さん、俺のこと好きですか？」

「え？」

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