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コドモっぽい in.ar ページ10

オトナ、コドモ続々

有岡side


溺れちゃいけない
なんて、今更

マジで有岡先生のこと好き、なんて子供っぽい告白、返事をしない俺にキスをして満足そうに帰った数分前

シーツを替えていると、コンコンっていのちゃんが入ってきた


「元気だね」

「元気なのは山田の方」

「相手してあげて偉いじゃん」

「·····まあな」


分かってるくせに、知ってるくせに
そんな言い方するいのちゃんは昔から変わってない


「そっちはどうなの」

「忙しくて3大欲求どれも満たされてないけど」


お腹すいたー、って、食欲優先かよ

疲れた時は甘いもの
と言ってもそんなに得意じゃないいのちゃんには、ブラックコーヒーに砂糖1つ、俺は2つ

テーブルに項垂れるいのちゃんに持っていくと、ありがとって笑った


「____あー、侑李不足で死んじゃう、膝に乗せて匂い嗅ぎたい」

「教員とは思えない発言」

「お互い様ー」


元々は好かれた身
好きって誘われて、その思いをオトナの魅力で解いていった

それでも、やることはやってるのに淡い気持ちには知らん顔
線引きはかなりクソだと分かってる


「もうやだ、仕事めんどくさい。全員オール5あげたい」

「アホか」


好きじゃない、まだ戻れる、ただ欲の捌け口になってあげただけ

そんな気持ちを無理やり思い込むようになったのはいつからだろ


「仕事終わったの?」

「まだ。大ちゃん待ってて」

「やだよ」

「けちー。大ちゃんが遅い時待っててあげたじゃん。___最悪、教室にプリント置いてきた、大ちゃん行くよー」


俺の返事なんで聞かずに無理やり腕を引っ張られて、ずんずん進むいのちゃんに必死に着いて行く

____あれ山田····と知念、なんか話してる


「_____ふーん、俺ってやっぱ感情伝わりにくかったりする?」

「素直じゃないだけ」

「なるほど」


可愛くて生意気な年下のあいつ
目移りしそうなキラキラな学生生活の最後、隣にいるのは誰だろうな

·····なんて、余裕あるオトナ演じるのもキツイんだからな


「侑李」

「ッ!伊野尾先生、」


ふふっ、いのちゃんの声嬉しそう



_&fin

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作者名:ナギ.× | 作成日時:2021年12月31日 10時

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