僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ7)

今日:59 hit、昨日:21 hit、合計:10,896 hit

私の青春ページ7

。

「きゃー！！！！」

私がマイクを持っただけで女子が大盛り上がり。

「私Aちゃんが歌ってるの見たかったのー！！」

「それなっ！絶対上手いでしょ？」

『えー？そんなことないよ！カラオケ初めてだし…』

ここで恥ずかしそうに俯く。

「もうAちゃん可愛いっ！大丈夫だよ！Aちゃんが下手っぴでも、結果可愛いで落ち着くよ！」

確かにそうだ。

私は流行りの曲を入れて、精一杯音程を合わせて、それでいてノリノリを表現して歌った。

「やっぱりAちゃん上手いー！！」

「苺山さん、こんなに完璧で彼氏とかいないの？」

『えぇ！？居ないよ！！どこが完璧なの…！？』

天然おバカキャラ。

「マジかぁ。じゃあ俺、彼氏候補としてはどう？」

期待の眼差しと、周りから嫉妬の目。

『うーん…恋とか、そういうのってよくわからないや。まずは友達としてもっと仲良くなりたい！それじゃダメかな…？』

軽く上目遣いで、下手(したて)に出る。

「全然！！！これからよろしくね！！」

顔が真っ赤。彼も喜ぶだろうし、周りも安心する。

『はい！これ今取ろうとしてたよね？』

「そうそう！ありがとう！」

女子からも嫌われないように沢山気を使う。いい子だなって思わせるように。

『あっ、じゃあ私こっちの路線だから、みんなバイバイ！
今日は楽しかったよ！忙しくて断っちゃうかもしれないけどまた誘ってね！』

「うん！Aちゃんまた月曜日ねー！」

「またねー」

やっと1人になって電車に乗れば、人はガラガラでほっとする。

今日はどっと疲れた。青春って疲れるのか？みんながいう青春はもっときゃぴきゃぴで、楽しそうなはず。これは青春じゃないのだろうか。

みんなは青春だったけど、私だけ青春じゃない…。

まあいいか。これが私なりの青春だ。

『ただいまー！』

返事はない。もう寝ているだろうか。

リビングに入れば、遊んだ形跡のあるゲーム機と雑魚寝の6人。

『部屋に運ぼ。お母さんたちに見られたら怒られちゃう』

チビ助たち4人は運べたものの、中学生のさとみとなーくんは流石に難しい。
気持ちよさそうだけど、起こさねば。

意を決して方を叩いた。