僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ37)

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Aside

その旅館はなかなか立派なところで、りいこさんは部屋を2つ用意してくれていた。

『って何気にスターですよね！？こんなところいて大丈夫ですか！？』

「大丈夫だよ。私の弟たちが迷惑かけてごめんね」

部屋わけはもちろん女子と男子。広い部屋でりいこさんとお風呂の準備をしながら話していた。

そばで見るりいこさんはテレビで見るより可愛くて、現実味がないように思えた。

ふと、いつかのことを思い出す。
そういえば私はりいこさんを妬んでいた。同じ、家庭に問題がある長女同士なのにどうしてこうも違うのだろうかと。けど、どうだろうか。りいこさんも苦労があったらしい。

人生何があるか分からないな。りいこさんと知り合いになれるだなんて思ってもいなかった。

「Aちゃん！そろそろお風呂いける？」

『あっ、はい！』

物思いにふけっていたら、いつの間にかりいこさんは入口のところにいた。慌てて荷物を掴んで隣に並んだ。

「ねぇ、それより、りいこたちそろそろ敬語外しても良くない？」

『えっ！？いやいやそんな！ここまでやってもらってタメ口とか生意気すぎますよ！』

私はいかにも驚いた、というように目をぱちぱちさせた。

「いいの！ねっ？敬語外してタメで話そっ！もしかしてりいこのこと嫌い…？」

この人はずるい。そういう言い方されたら誰も断れないのだと知っている。
そしてその演技を堂々とできる自信。

『わかりました…』

「あ、敬語」

『あっ』

私はハッと目を大きく開いた。りいこさんは笑ってくれた。

「姉ちゃーん！！」

勢いよく扉を開けて部屋に飛び込んできたのはジェル。

「おいジェル！フライングすんな！」

私の姿を見つけて走り出そうとしたところを後ろからさとみに襟をつかまれ、ぐぇっと倒れた。

『みんな…！』

「姉ちゃん！夕飯食べよ！」

「僕ら先に頼んどいたよ！この部屋に頼んだ！」

年下組が目をきらきらさせている後ろで、さとジェルはまだ争っている。

「えーやんケチくさいなぁ。ほら俺らがこんなことしてる間に莉犬とるぅとはもう姉ちゃんのとこやで？」

「ねー詰まってるから！進んで！！」

「えいっ！」

ころんが呆れ顔でいると、なーくんが突進し、さとみとジェルは吹っ飛んだ。

「ななにい…。」

「よしっ！」