僕たち問題だらけの兄弟です4 【stpr】【stxxx】 (ページ30)

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｢みんな起きてー！到着したよー！｣

りいこちゃんの声がしてうっすら目を開けると目の前に美しい御顔が。

｢寝起きでりいこちゃんの顔を見れるとか幸せ…｣

｢はいはい。ほら行くよ｣

ふわぁ〜と大きな欠伸をすると、隣で既に私服の姉ちゃんがぼーっとしていることに気づいた。

｢姉ちゃん｣

姉ちゃんが振り返って俺を見た。

『ジェル…。これは一体…』

｢あはは…。なんの説明もなしに連れてきてちゃったなぁ。これは、姉ちゃんを助ける計画だったんよ！｣

『助ける…？』

｢そう！今までの恩返しっ！｣

『莉犬…』

莉犬が姉ちゃんに飛びつき、姉ちゃんの口元に微笑みが浮かぶ。

するとみるみる目に涙が溜まっていく。

『ごめんねっ…こんな情けないお姉ちゃんで……っ』

｢ごめんねなんて言わないで｣

『なーくん…？』

なな兄は姉ちゃんのおでこにデコピンした。

｢そうだそうだ！悪いのはアイツらだー！｣

『ころんっ…』

｢僕らは姉ちゃんが大好きなんだよ？｣

『るぅと…！』

みんな姉ちゃんに抱きつきに行った。もちろん俺も。そうしたら大きな渦ができた。

『あれ？さとみは…？』

さと兄だけはりいこちゃんの隣で俯いていた。

｢……俺｣

｢……俺っ…姉ちゃんがいなくなったら…どうしようかと思った…！｣

顔を上げたさと兄は泣いていて、俺もなんだか泣きそうで。みんなもそうで。

『さとみも、みんなも、ありがとう』

姉ちゃんはそっとさと兄も引き寄せると、俺らをぎゅうっと抱きしめた。

姉ちゃんにありがとうと言われて、みんな泣き出した。

｢ねえじゃあ"あ"ん｣

｢……っ、…｣

｢よかった…本当に…っ｣

｢うぅ…ぐすっ…うぅぅぁぁぁ｣

｢もうどこにもいかないでぇぇぇ｣

｢うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん｣

りいこちゃんが笑って俺らを撮っていたことは誰も知らない。