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ふ、と目を開いた。
気づかない内に眠っていたようだった。




肩には彩香がいつも身につけているショールがかかっていた。

俺はそのショールを手に取り、辺りを見渡していると背後から


「あ!お目覚めですか?お兄様」


と彩香の声がした。


『彩香…これ、ありがとう』


俺は彩香の方を向いてショールを渡した。



『(あれ…?顔色、悪くないか?)』



そんなことを思ったが、そんなことはない とでも言うように彩香は笑ってショールを受け取った。


何故か俺は 気のせいか と思ってしまった。



『今日は遅かったんだな』


「ごめんなさい、お待たせしてしまって」


『いや、なに。
またいろんな人にイタズラをして怒られてるんじゃないかと思ったけど、そうじゃないならいいさ』



「あら凄い!流石A兄様!私のことわかってらっしゃる!」


彩香は手を口の前に持っていき、驚く素振りをした。



『お前な…』



彩香はクスクスと笑った。




『…まぁいいや。で、どうする?もう暗くなってきたし、夕食の時間に遅れるぞ。俺はともかく、彩香は遅れたら注意されるんじゃないか?』



「そう……なんですけどね」



『?』



珍しく彩香の歯切れが悪い。


『どうした彩香』



彩「…久々にここで夕食を摂りたいなと思いまして!」


『俺はいいけど、あとで怒られるの覚悟しとけよ〜?』


彩「大丈夫です!」






+




夕食は俺が作り、彩香は電波の届くところまで行き、本宅へ連絡した。



夕食をテーブルに並べ、席についた。




『ちゃんと連絡したか?』



「バッチリですよ!

ちゃんと“彩香が倒れたので病院に行きます”とA兄様のお声で!」


『お、お前な…』



「大丈夫です!ちゃんと“冗談だ”と私の声で言いましたから!」


『あいつら、また騙されてたか?』


「綺麗に騙されてくれました!」



『何回目だ?10…』


「19回目ですよ!フフフ♪」


『学習しないなーあいつら』



俺の言う“あいつら”とは使用人のこと。

使用人も父様も母様も、彩香に幾度となく騙される…というかイタズラされている。
因みに俺は引っ掛かったことはない。



「次で20ですよ!」


嬉しそうにピースする彩香の額を指で突いた。


『ほどほどにしとけよ』


彩「イタタ…。これでも程々ですよ。そろそろ食べましょう。A兄様の愛の込められた夕食!」



『愛…はどうかわからないけど、食べるか』








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舞蹴(プロフ) - 777さん» いえいえ、いいじゃないですか裏キュー!センスなくないですよ!あと物凄く遅くなってすみません!!!! (2018年6月23日 20時) (レス) id: 48742049bc (このIDを非表示/違反報告)
777 - 舞蹴さん» 裏話 ハイキュー 略して裏キュー センスねぇーw (2015年6月27日 20時) (レス) id: 1bd62eb53b (このIDを非表示/違反報告)
舞蹴 - 777さん» 777さん!いらっしゃいませ笑 裏話 ハイキューのあれって言ったのは、本当に言葉が出てこなかったからです。記憶力乙← こんな地味に作った方にも来ていただいて、本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2015年6月6日 22時) (レス) id: 20c16e4762 (このIDを非表示/違反報告)
777 - 呼ばれてないのにじゃじゃじy(( こっちも来ました ハイキューのあれの意味が調べてようやく分かった人です 分かって良かったのかな? 更新楽しみにしてます^^ (2015年6月6日 17時) (レス) id: 1bd62eb53b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞蹴 | 作成日時:2015年6月2日 22時

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