「生きていた」って笑顔で吠えて

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+山中side





及川さんと岩泉さんが家に来てくれたその翌日も、相も変わらず及川さんが教室にやって来た





及「部活、考えてくれた？」



『昨日の今日じゃないですか、待ってください』



及「でもずっと前から誘ってるじゃん」



ぶーぶーと文句を言う及川さん



『あんまり言うなら良い方になんて考えません』



俺がそう言うとピタリと止まった



及「あ、そういえばさ」


と違う話題に切り替わり、及川さんの話を聞き続けた







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それから
考えに考え込んだ数日が経った









+









昼休みになり及川さんが教室に入って来て、俺の机前で止まった

今日は言うことがある

俺は及川さんがなにか言葉を発する前に





『今日少し、部活の件でお話がありまして。



お邪魔しに行っていいですか』




及「部活の件…ってことは、考えてくれたの？」




『考えました』



及「良い方に？」



『それは行った時にお話します』




及「勿体ぶらないでよ〜」



『で、行っていいですか、それともだめですか』



及川さんは「スルーですか」と小さく言ってそのあと



及「部活始まる前とかなら大丈夫だよ」




『わかりました。では放課後体育館の方にお邪魔しますね』




及「他の人にも言っておくから」




『ありがとうございます』




俺が言うとちょうど昼休み終了のチャイムが鳴った



及「じゃ、また放課後」


及川さんは教室へ戻っていった









授業が始まるが、集中できない
放課後のことが気になって仕方ない

どう思われるだろうか、ダメだと言われるだろうか

心配でしかない

その心配から緊張がくる



『はぁ…』


誰にも聞こえないくらい小さくため息を吐く




隣の窓が3分の1ほど開いていて、そこから細く風が入ってくる

授業が始まっても尚閉じたままの教科書とノートがその風でぱらぱらと捲られ、また閉じた



頬杖をついて窓から外を見る

特に担当教諭から授業に集中しなさいだのと注意も受けず、集中できない授業がただ流れていった







+




放課後



『(今日は及川さんが教室に来るとは言ってなかったな)』



荷物を鞄にしまい、肩にかけ立ち上がり、隣の窓を閉め



『…よし、行くぞ』



言う決意、行く決意をまとめて、体育館へ向かった





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