「生きていた」って笑顔で吠えて

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教室に主将さん…及川さんが来る日々が続いたある日の昼休み

俺は静かに本を読んでいると
今日も教室に来て俺の席の前に立ち





及「ねぇサンチュー」



本を読み続ける俺に及川さんは声をかけてくる



『…なんですか』



声をかけられてもきっといつものやつだろうと本を読み続ける



けど、今日はいつもと少し違う内容だった







及「部活、観に来ない？」




今日は入部のお誘いではなく見学のお誘いのようだ





『行く理由ないんで行かないです』



及「えーお願いー来てよー」



『行きません。入る気もないのに見学はしません』




及「きっと見学したら入る気になるよ」



そう言いながら俺の読んでいる本をすっと取り上げ、読んでいるページを見て




及「サンチューは難しそうな本読んでるんだね」



『ちらっとしか見てないからそう思うだけで、読めばそんな難しくないですよ』



及川さんの手にある本を取り返しながらそう言った

本は閉じて手元に置き、じっと及川さんを見ながら




『部活の見学なんて、入る気もない人間によく誘えますね』



と言うと

いつものヘラヘラしたような笑顔はなく、真面目そうな顔で






及「サンチューは入るよ


絶対入る」



静かにそう言った



どこからそんな自信が生まれるのか全くわからない




『見学…ね…』



及「今日がだめでも明日か明後日か、いつか必ず見学に来てもらうよ」



どんな手を使っても…とでも言うようなそんな表情で言い切る及川


必ず行くことになるのか…まぁ謎だが

仕方ない






『わかりました、行きますよ』



及「ホント！？よかった〜


じゃあ今日の放課後迎えに来るね！」




『いや体育館ならひとりで…』



及「じゃあまた放課後ね〜」




半ば強引に迎えに来てもらうことが決まり、そのまま及川さんは去っていった






『…ハァ』



ため息をひとつ吐いて、再び本を開いた







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