1話。 ページ1
Aside
『最悪だ…人生終わった』
「なあ、そう落ち込むなよ。俺たちは君がこのチームに来てくれたことを嬉しく思うんだ」
あ、俺はメローネ。よろしくな。彼はそう付けたし、頭を抱える私の背中をさすった。
今日から配属されることになったこの暗殺チーム。はっきり言おう。降格した。
できることならブチャラティのところに行きたかった。あそこはみんな楽しそうだしエネルギッシュだ。ここは…なんていうか、私みたいな似たもの同士が集まってる感じがする。除け者クラブって感じ。
『ひッ……』
背中をさすっていたメローネの手がゆっくり下に流れていく。腰の当たりをサワサワしてきた。なに、この人の手つきなんか…なんか変。
「メローネ、新入りに変なことするなよ。…A、暗殺を生業にするチームと言えどもメンバーの団結力はある方だと俺は思ってる。ボスから送られてきた情報では、お前が元ボス親衛隊だったことしか分からない。話せる範囲で話してくれないか?」
チームのリーダー、リゾットにそう言われ、メローネでさえ一旦手を離しみんな興味津々と言った感じで私に目を向けた。逆に話しずらいなあ。
『…そうです、私はボス親衛隊でした。ボスのことを崇拝してたわけじゃなかったけど、それなりに尊敬はしてました。仕事も真面目にやってるつもりだったんです。けど…私の仕事内容、知ってますか?拷問なんです。ボスの指示で、情報を引き出すためにある男を拷問をしてました。そしたら誤って殺してしまったんです。』
私がそう言うと、みんなはお互い顔を見合わせてシーンと静まり返った。空気ヤバ。
「アンタが?拷問をか?するの?……ええ?」
プロシュートさんがそう言い、不思議そうに私の顔をじろじろ見る。
「俺にはお前みたいなその辺に居そうな娘が拷問するようには見えねぇ。人は見かけによらずってやつだな。…で?なんで殺しちまった?お前その道のプロなんだろ?」
『…彼、ビビって失禁したんです。裸でぐるぐる巻きにしたままこっちに寄越されたもんですから、その…私にかかって…。ちょっとプツッときちゃって…やりすぎました』
みんなは黙りこくったまま信じられないように私を見たが、その気まずい空気をメローネが打ち壊してくれた。
「はは、めちゃくちゃ面白いじゃあないか。…ま、君がそうしたから俺と君は出会えたって訳だ。」
『はあ…』
彼は私の顔を見て、ニコニコ笑った。
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梅花 - こんにちは12話も最高です くるちゃんさんもこれから仲良くできたら嬉しいですお二人共これからもよろしくおねがいします (2021年9月21日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
4番くん(プロフ) - くるちゃん。さん» ありがとうございます!これからも見てくれると幸いです。 (2021年9月19日 17時) (レス) id: 2a341e36a7 (このIDを非表示/違反報告)
くるちゃん。 - とっても面白かったです! 読みやすいし 内容がしっかりしてるし、最高です! 続き楽しみにしてます! (2021年9月19日 14時) (レス) id: 653f3c1549 (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あひゃーペッシィィ可愛いなぁーおい 次回も楽しみにしてますね (2021年9月19日 10時) (レス) id: 7df7a78d6a (このIDを非表示/違反報告)
梅花 - あっーー10話でしたぁ 失礼いたしました (2021年9月17日 23時) (レス) id: 3d213de61e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4番くん | 作成日時:2021年9月5日 8時