【ゴールデンカムイ】兵器な彼女2【尾形百之助】 (ページ15)

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65話。ページ15

Aside

中は真っ暗で、気配と少しだけ慣れた目をフル活用させて少し見えるくらいだった。

息を潜めてると、突然舌を鳴らす音が。それと同時に、尾形上等兵は私たちを奥へ行くよう促した。

と、杉元さんは主犯格の都丹庵士に狙われ投げては投げられの大乱闘を始めた。

｢A、杉元のところに他の加勢が来ないよう銃をぶっ放せ。こんなに暗いようじゃお前に狙い撃ちは厳しい。早撃ちで勝ってくれ｣

『わかりました』

そう言われ、拳銃を2丁だして散弾させる。私の撃った弾が当たった囚人を、尾形上等兵の三八式でトドメを刺していく。

しばらくだいたいの部下を片付けたところで杉元さんに加勢しようとすると、何やら2人は言い合っていた。

｢俺は無関係の人間は殺していない。和人もアイヌもだ｣

｢いつか見境がなくなるさ｣

｢...わかるのかい？確かにあんたからは人殺しの臭いがぷんぷんするよ。...それに、そこの嬢ちゃん、あんたもだ。血生臭い恐怖の臭い...｣

『っ.......』

一瞬怯んだ。見透かされていたようで、今までの行いを全て見られていたようで胸がどくんと脈打った。

あ、やばい、杉元さんが撃たれる、

そう思った時、誰かが部屋に入ってきた。

｢久しぶりだな、都丹庵士｣

｢そ、その声.......土方さん｣

でもそんな声すら遠く聞こえる。
そうだ、私は殺人者。戦争を理由に人をたくさん殺してきた。幸せになってはいけない.....

｢A｣

『尾形上等兵...』

彼は私を抱きしめた。

｢大丈夫、お前は人殺しの臭いなんかしない。全部俺は分かってる。だから安心しろ｣