【ゴールデンカムイ】兵器な彼女2【尾形百之助】 (ページ6)

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56話。ページ6

Aside

『なんのお肉でしょうね...』

もらったお肉の匂いを嗅いでみると、臭くはないが独特の匂いがした。

｢...まあいいだろ。変なものでもないだろうし...｣

尾形上等兵はそう言って、また望遠鏡に目を戻した。
しかし、すぐに私の手を取って走りだす。

『えっ？！な、なんですか！何か見えたんですか！？』

｢バッタの大群だ！最近は見ないと思っていたが...とりあえずそこの小屋に入るぞ！｣

バッタの大群と聞いてぞわっとする。そういえば、この時期になると軍隊でバッタ駆除のために駆り出されたものだ。バッタって結構噛んだりしてくるし嫌い...。

なんとか小屋に入ってやり過ごす。それでも、窓には大量のバッタが張り付いているのが見えた。

｢しばらく出られそうにないな...｣

『そうですね...せっかくアシリパさんがマンボウ獲ってきてくれる予定だったのに...あ、でも丁度さっきもらったお肉、使えるかもしれませんよ！毒があったら他人にはあげないだろうし...食べてみましょっか』

そう言うと彼は頷いて一緒に作ってくれた。

『う、う〜ん...上手く切れない』

｢お前、料理出来ないんだな。そんなんじゃ誰も嫁にもらってくれねぇぞ｣

『なっ...！！...尾形上等兵も、料理が出来る女の子の方が好きですか...？』

ずっと軍隊にいたから、料理の仕方なんかわからない。ちゃんと習っておけば良かったかも...。

｢...そうとは言ってねぇだろ。俺は料理できるし、別にお前が出来なくても構わない。｣

『良かった！じゃあ私たち結婚できますね！』

｢....ああ｣

彼はぶっきらぼうに返事をしてそっぽを向いてしまった。よく見ると、耳が赤い。

｢ほら、もう出来る。あとは火にかけるだけだ。火くらいお前炊けるだろ？頼んだぞ｣

そう言われ、マッチで日を起こす。囲炉裏に火を燃やして鍋をかけると、中がグツグツ言い出した。

｢...何か独特な匂いだな...ほんとに食べれんのか？これ｣

『多分大丈夫だとは思いますけど...』

なんだか妙に暑い。空気も物理的に重くなった感じがするし、むわむわする。

『あ、暑い.......』

隊服を脱いでシャツだけになると、汗でワイシャツがぴっとりと肌に張り付いていた。

ふと、尾形上等兵の方を見ると、息が上がって呼吸が荒くなっている。眉を切なげに寄せ、今にも倒れてしまいそうだ。