【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ43)

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43話。ページ43

Aside

みんなのところに戻ると、何やらアシリパさんたちが騒いでいた。

『どうしたんですか？』

｢白石が頭をマムシに咬まれたんだ！私は薬草を取ってくる｣

｢アシリパさん、すごく蛇が苦手みたいなんだ｣

アシリパさんでも苦手な生き物とかいるんだ……
ちょっと可愛い。ヘビが出たら私が退治してあげよう。

｢ちょ、ねえなんかどんどん噛まれたとこ痛くなってるんだけど！？てか腫れすぎじゃない！？誰でもいいから毒吸い出してよ！｣

白石さんの頭を見ると、いつもの2倍くらい大きくなっていた。

『ふふ……』

｢ちょっとAちゃん！！笑えない！！笑えないから！死んだらどうするのさ！！｣

『すっすみません……ふふ、…私でよければ吸いますよ』

｢えっまじ？ラッキー！………………えへ、尾形ちゃんこわぁい……｣

吸い出そうと身を乗り出すと、私の腰のベルトを引っ張りあからさま白石さんを睨みつける尾形上等兵。

『尾形上等兵、白石さん死んだら困るじゃないですか、網走監獄行けませんよ』

｢…どうせ死なない｣

『そんなのわかんないじゃないですか！じゃあ尾形上等兵が吸ってあげてくださいよ』

｢いや……歯茎とかに毒が入ったらいやだから｣

｢Aちゃん、多分大丈夫だよ。アシリパさんがマムシに咬まれた時の死亡率は0.1%未満って言ってた！｣

杉元さんも大丈夫だと言うので、とりあえず白石さんの頭はそのままにして置いた。

『…尾形上等兵？』

いつも堂々としてる(生意気ともいう)彼が、今日はしおらしく私の裾を掴んであたりをキョロキョロしている。

｢……｣

『あなたもヘビがお嫌いなんですか』

｢好きな奴はいない｣

『西洋ではペットとして買う人もいるみたいですよ』

｢気が知れねぇよ｣

ふふ……ちょっと可愛い。猫みたいだ。

『大丈夫ですよ、私がちゃんと対峙してあげますからね』

そう言い彼の顔を見ると、彼は遠くを見て青ざめていた。

｢お、お、おい……あ、あれでも倒せるのかよ……｣

彼の指を指した方を見ると、それはもう本当に大きなヘビがこちらを睨みつけていた。

『…えへ、あれは無理です』