【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ5)

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5話。ページ5

Aside

｢おい、イチャイチャすんな。つーか寝るな。死ぬぞ｣

二階堂くんに声をかけられてハッとする。
危ない危ない。死ぬところだった。

『...鶴見中尉、怒りますかね』

｢そりゃあもう、怒るなんてもんじゃねぇだろ。殺されるな｣

『やっぱりそうだよなぁ...』

｢お前は女だから、もしかすると売られるかもしれない｣

『そしたらもう尾形上等兵とは一緒に入れないですか？』

｢そうなるな｣

『やだなぁ、見つからないようにしなきゃなあ』

｢なに？尾形さんとAって付き合ってんの？｣

二階堂くんが居心地悪そうに聞いてくる。

『付き合ってないです。てか、そういうんじゃないし。私は尾形上等兵に忠誠を誓ったの。鯉登少尉が鶴見中尉を崇拝しているように、私は彼を崇拝してるだけ。』

｢この男にそんな魅力ねェよ｣

『私だけその魅力を分かってればいいわ』

｢お前さァ...結構人気なんだぞ？そら男しかいない軍だからってのもあるけど、にしても可愛いって言われてんだから、もうちょっとよ、こう...視野を広げてだな...尾形さんもなんか言ってやってくださいよ、コイツのためですって｣

｢お前は俺だけ見てればいいんだからな｣

『っっはい.......そうしましゅ.....』

｢だめだ、完全にメスの顔になってやがる...｣

なんてくだらない話をして、寝かけている人を起こしあっていると朝を迎えた。

遠くの方から火をおこした煙が見える。

｢おっ、火だ！あそこに谷垣がいるんだな！｣

二階堂くんは飛びついて行ったが、怪しい。
山を知り尽くしている谷垣さんが、まさか分かりやすく火を焚くはずがない。

『尾形上等兵、気をつけて。何か怪しいです。慎重に動きましょう』

｢ああ。｣

慎重に近づいていくと、谷垣さんは居なかったが火の近くに鹿が横たわっていた。

｢二階堂、谷垣の足跡があるか探してこい｣

｢俺はエサかよ...｣

そう言いながらも渋々見に行った彼は、ある、と合図してきた。

と、その瞬間。

『尾形上等兵、下がって...！』

大きなヒグマが二階堂くんを襲った。