【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ4)

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4話。ページ4

Aside

尾形上等兵が窓から見える谷垣さんの頭を狙う。
ﾊﾟﾝｯと音がして、双眼鏡で部屋の中を覗くと、頭に当たったようだったが仕留められなかったみたいだった。

『仕留められてないです。...ん？なんか、煙幕を炊いてます』

｢先を行かれたか。アイツはもう家を出たはずだ。まあ、怪我をしてるしそう遠くまでは行けんだろう。次で仕留める。｣

しばらく探っていたが、さすが谷垣さん、東北出身だからか、山での動きは熟知している。全然見つからずに夜になってしまった。

｢さ、寒い...火を焚いていいですか...｣

｢そんなの居場所を教えるようなものだ。女のAが泣き言ひとつ言わんのに、男のお前がそんなこと言うな。もっと我慢しろ｣

『これ使う？』

胸ポケットに入っていた温石を渡すと、二階堂くんは大事そうに握った。

｢あったけ～...お前、良い奴だな｣

｢A、お前は大丈夫か。寒くないか｣

『さ、寒い...』

カイロあげなきゃよかった。大事に使っときゃよかった。寒すぎる。死ぬ。

｢こっち来い。ここ座れ｣

尾形上等兵に言われるがまま、彼の足の間に収まる。
寒すぎると何も考えられない。

座ると、後ろから暖を取るようにぎゅっと抱きしめてきた。

『あったかい...もっと、強く抱きしめてくださ...死ぬ...』

｢こうか？｣

『そうです...はぁ...あったかい...』

私の肩に顔をのっける尾形上等兵。猫みたいだけど、近くにはしっかり銃が置いてある。

やばい、温かくてこのまま寝ちゃいそう...。