【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ25)

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25話。ページ25

杉元side

『...なんかすみません、話しすぎちゃいました』

照れくさそうに笑うAちゃん。
どう見たって、彼女は軍隊にいる人間とは思えない容姿だった。身長も男に比べれば小さいし、筋肉だって男のそれとは訳が違う。軍帽も、少し大きいようだった。

｢ねえ、Aちゃんは金塊を手にしたら何したいの？｣

『いや.......私は...特にないです。尾形上等兵に着いてきているだけですから。もし私の分の分け前がいただけるなら、尾形上等兵に全てお譲りします』

｢ふ～ん...本当に尾形が好きなんだね。｣

『別にそういう訳じゃ...』

彼女はきっと、俺と尾形が敵対したら躊躇なく俺を殺すだろう。俺には分かる。けれど、多分根は優しい真面目な子だ。じゃなきゃこんなに人を慕えないし、それにアシㇼパさんが懐いていた。アシㇼパさんの人を見る目を俺は信用している。

『あの...私、杉元さんのこと勘違いしてたみたいです。優しいんですね。ぽっと出の私たちと一緒にいてくれて、ありがとうございます』

｢いや、俺こそ.....最初、少し君が怖かった。けどなんだかそんな気はなくなったよ｣

話し込んでいると、尾形がのそのそと起き上がって彼女を後ろから抱きしめた。

｢...いつまで話してんだ。もう寝ろ｣

『尾形上等兵...！す、すみません、起こしちゃいましたか？』

ようやく寝床に着いた頃には、もう辺りはシーンとした真夜中だった。