【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ22)

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22話。ページ22

Aside

アシㇼパさんたちのところへ戻ると、罠にかかってはいたのだが、2羽しか獲ることが出来ずご機嫌ナナメのようだった。

｢杉元も羽毟るの手伝え！｣

｢わっ、羽口の中に入った！ぺっぺっ...お、2人が帰ってきたぞ｣

『見てください！尾形上等兵、２発で3羽もとったんですよ！これでみんなで食べれます！』

そう言うと、尾形上等兵は自慢げに息を吐いた。

｢ムカつくなコイツ...｣

｢な～んだよ、アシㇼパさんに言われたからってムキになっちゃってさぁ！｣

｢杉元は銃が下手だから妬ましいなあ｣

｢別にっ！！！｣

あ、睨み合ってる...尾形上等兵と杉元が睨み合うと、猫と犬が睨みあってるみたいでちょっと面白い。

｢A、脳みそ食うか？塩かけて食うと美味いぞ｣

『いいんですか？私、脳みそ食べたことないです。』

アシㇼパさんはスプーンの上にヤマシギの脳みそを乗せ、口を開けろ、と言ってくれた。

『あーん』

｢ん。どうだ？｣

『結構美味しいですね！なんかぶにょぶにょしてる。尾形上等兵も食べてみてください、美味しいですよ』

｢いや、俺はいい｣

『釣れないなぁ...』

そのあと、みんなでご飯を作ってみんなで食べた。
なんか家族みたいだ。杉元と尾形上等兵でさえ、少し打ち解けていたようだった。

｢みんな寝ちゃったね｣

杉元に話しかけられる。一体一で話すのはこれが初めてだった。

『そうですね。杉元さんもそろそろお休みになったらどうです？疲れたでしょう』

｢いや、大丈夫。それより聞きたいことがあるんだ。｣

ハッとして、反射的に腰にある拳銃を掴む。けれど、杉元の顔には殺意どころか敵意も感じられなかった。
本当に、心の底から何かを知りたいと思っている顔。私は拳銃から手を離した。

｢俺、Aちゃんと会ったことあるよね？203高地で。覚えてるよ。｣

『.....』

｢あの戦いぶり...すごかった。俺と君は似ているなと思った。生きることへの執着心。殺されるくらいなら殺す。...知ってる？あの戦いがおわったあと、君を見た奴らは全員口を揃えて言ったんだ。｣

｢まるで女神のようだった、って。｣

『...私には、国を守ろうだなんて大それた志はありませんでした。そんなことを言われるほどの人間じゃないです。私はただ、...ただ、尾形上等兵のために...』

この人は、優しいんだ。全てを話してしまいたくなる。この人になら話しても大丈夫だ。私が尾形上等兵を慕っている理由を。