【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ13)

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13話。ページ13

Aside

｢それにしてもAは全く尾形から離れないな。まだ私たちを警戒しているのか？｣

『ち、違います...』

土方さんにそう言われ、ドキッと心臓が鳴った。図星だ。はっきり言って、蝦夷共和国を作ろうだなんて夢物語、信じられるわけが無い。尾形上等兵だってそうだろう。彼はきっと、この人たちが1番金塊に近い存在だから近づいたのだろう。

｢はは、顔に出ているぞ。大した子だな、警戒する気持ちは大切だ。大事にした方が良い。｣

『はぁ...』

｢早速だが、実は妙な噂を聞いてな。鶴見中尉がなぜか夕張に出向いているらしい。必ず刺青人皮に関する何かがあるはずだ。それを調べてきてくれ｣

｢わかった。夕張...何か怪しいと思うところはあるか？A｣

『夕張は乾燥しやすく、死体の保存に適切です。そのため剥製なども作られていて、特に｢江渡貝剥製所｣が有名です。ここからは私の予想ですが...鶴見中尉はその職人の江渡貝弥作と手を組み刺青人皮の偽物を作るつもりではないでしょうか。だとしたら、とてもまずいことになります』

｢有り得なくない話だ。ジジイ、どう思う｣

｢我々もそう踏んでおる。後から我々もそちらに向かう。のちに合流しよう｣

そんな話をし、私たちは江渡貝弥作のいる夕張へ向かった。

『...土方歳三って、なんだか怖いですね。鶴見中尉と同じ雰囲気のものを感じます』

｢そうかもな。けど、今金塊に1番近いのはあのジジイだ。それに、杉元たちのところにいる白石という囚人がいるが...そいつとも通じているらしい。あっちの情報はほとんど俺たちに筒抜けだ。｣

『へえ...白石も、よく不死身の杉元を騙せますね。私なら怖くて変なことして逆にバレちゃいそうです』

｢アイツは変なやつだが、生きる力がある奴らしい。ま、用心にこしたことはねぇがな｣

そんなこんな話しているうちに、とうとう私たちは江渡貝剥製所にたどり着いたのだった。