【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ2)

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2話。ページ2

Aside

尾形上等兵は、崖から落ちたにも関わらず、すでに治っていたようだった。
変わったこととすれば、刈り込んでいた髪が伸び、頬に縫い傷ができていた。

｢いいか、まず二階堂と合流するぞ。アイツも鶴見中尉を出し抜く話に乗ってきた。谷垣を見つけ次第、殺す。ほら、銃を持て。｣

尾形上等兵に銃を渡され、部屋を抜け出す。

病院内はかなり閑散としていて、見回りや護衛も居ないため直ぐに病院をでることが出来た。

人通りも少なくなってきて、山に差し掛かったところであの時のことを思い出す。彼が1人で杉元を追った時のこと。

『.....杉元を追った時、なんで私に言ってくれなかったんですか。足でまといだと思ったんですか』

｢お前を無駄に危険な目に晒したくなかったからだ｣

『でも、1人で勝手に行動して、死にそうになったのは尾形上等兵じゃないですか...』

『そんなに私は頼りないですか？どうして頼ってくれないんですか。私、あなたに先に死なれたら生きて行けません...お願いですから、私をあなたの駒にしてください。利用されたいんです、あなたが生きるために、私は死にます。なんでもしますっだからっ...！』

｢いいから、1度落ち着け。｣

尾形上等兵は私を軽く抱きしめると、私が理解できるように、脳にしっかり言葉が入るように耳元で囁き始めた。

｢お前を頼っているから俺は今こうしてお前を連れて歩いてるんだ。それに、死ぬ時は一緒だ。俺が死ぬ時にお前が死ぬ。お前が死ぬ時に俺が死ぬんだ。わかってくれるか？なら泣くな。俺はお前に泣かれると弱い。｣

｢おい、昼間っからイチャイチャすんな。反吐が出る｣

ぱっと尾形上等兵から離れて銃を構える。銃口の先には、二階堂くんがいた。

『なんだ、二階堂くんか...』

｢尾形さんも、よくこんな奴に番犬させますね。こんな小さい女役に立たないでしょ。｣

｢ははぁ、さてはお前、Aとやりあった事ないだろ。お前なら死ぬぞ。それにほら、可愛いもんだろ。懐かれるのは嫌いじゃない。｣

尾形上等兵は私の頭を肘掛けにしてニヤニヤ笑った。
二階堂くんは呆れたようにため息を吐いた。

｢ところで尾形さん、谷垣の居場所は分かってるんですか｣

｢大体だが目星はつけてる。近くにアイヌの村があるはずだ。そこに行く。｣

しばらく山を歩いていると、小さな集落が見えた。
村の人によると、この家に怪我をした兵士がいると言うことだった。