【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ41)

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41話。ページ41

Aside

｢っ……A、｣

『大丈夫ですよ、ほら、落ち着いて…』

尾形上等兵は少し過呼吸気味になったけど、なんとか呼吸を整えた。
そして、がばっと私の方を見た。冷や汗をたくさんかいて、なんだか目が泳いでる。

｢…お前も俺を置いていくのか｣

『いいえ、私はずっとあなたと一緒ですよ』

｢俺を見てくれるのか…？｣

『私はあなたしか見てません。』

｢愛してるか……｣

『心の底から愛してます。私にはあなたしかいないんです』

｢お前は…………アンコウ鍋は好きか？｣

『……ええ。好きですよ』

彼は時折、こうしてフラッシュバックして私を質問攻めにする。お母様を殺したのは自分なのに｢俺を置いていくのか｣なんて。自分で殺したのに｢アンコウ鍋は好きか？｣だなんて。好きだって答えるけど、北海道育ちの私はアンコウ鍋なんか食べたことない。

彼はまるで許しを乞うかのように聞くのだ。

彼を優しく抱き締めると、尾形上等兵の体の震えは収まり、安堵の表情で私のからだに手を回した。背中を摩ってやると、落ち着いたようにため息を着く。

｢悪い…………俺、また取り乱して……｣

『いいんですよ。私が具合悪くなったら、いつもあなたは看病してくれるじゃないですか。お互い様です』

そう言うと、彼は泣きそうな、安心したような顔をしてからまたきつく私を抱きしめた。