15話。 ページ15
Aside
『だって、そうしたらあなたは尾形上等兵を殺しますよね』
「A...あの男に何をされたのかは知らないが、目を覚ませ。そんなにアイツが大事か。お前みたいな良い女、戦ってるなんてもったいない。俺だってお前を殺したくないんだぞ」
『うるさいです...邪魔!避けてっ!』
『はぁ...お前がそのつもりなら俺は手加減しない。』
月島軍曹はそう言うと、私を持ち上げて人間の剥製がたくさんある部屋にぶん投げた。
ガシャンと剥製が落ちる音はしたが、尾形上等兵が私を抱きとめてくれたため変な怪我はなかった。
「大丈夫か」
『は、はい.....かっこいい...』
「そういうのはあとでたくさん聞かせてくれ。さ、気をつけろよ。月島軍曹のことだ、何を考えているかわからない。」
「尾形ッ!良くも前山を殺せたものだな!それに...それにAに何をしたッ!あの子は本当なら、こんなことをする必要はないんだ...お前が地獄に引き連れた!」
「彼女は自分から着いてくると言ってくれたんだ。お前がどうこう言う筋合いはねぇよ。」
「うるさいっ!本部の飼い猫め...」
しかし、しばらくして月島軍曹は居なくなった。江渡貝さんを追ったのだろう。
『...ん?誰かが来る...』
「今でてった兵士はほっといていいのか?」
「この家が気になる」
2人はそう言うと、中に入ってきた。
「うおっ!なんだこれ...これもやりあった後なのか?」
白石は、転がった剥製を見て驚いている。が、尾形上等兵に銃を向けられ引きつった声を出しそうになった。
『静かに...』
彼の口に手を当てる。
尾形上等兵が、彼の耳元で何かを話す。すると白石は落ちていた偽の刺青人皮の破片を拾って杉元にこう言った。
「み、みろよこれー...鶴見中尉はここで刺青人皮の偽物を作ってたんだ...!は、はやく追った方がいいぜ〜っ...」
『へたくそ...』
2人が家を出ていくのを確認して、私たちも急いで江渡貝さんを追う。
なんとしても、誰よりも先に彼を見つけなくては。
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名無し(プロフ) - 最高です! (2021年5月2日 17時) (レス) id: 856a63e0b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4番くん | 作成日時:2021年4月18日 8時