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「それで、学部聞けなかったと」
「うん。」
「馬鹿なの?ミツ」
「だよな」
正門まで行くと、藤ヶ谷は俺の方も見ずに手でシッシッっとまるで払ってるような仕草をしたあと、近くにいたスーツを着ていた可愛い女の子に話しかけ、そのまま楽しそうに行ってしまった。
絶対あれは知り合いなんかじゃなかった。
女の子もビックリしてたし。一瞬警戒してたし。
でも、3秒後には藤ヶ谷のカッコ良さにメロメロになっていて、声のトーンも最初と比べると3トーン程上がってた気がする。
何が一緒に行きませんか?だ。ふざけんな。
おっと、何カバン持ってあげてんの?
初めての奴にアンタも何で託してんの?
体のいい泥棒だったらどうすんだよ。
そんな俺も早くそこから去ればいいのに。
二人の姿が見えなくなるまでその背中を見つめてしまっていた。
本当に馬鹿だ。救いようのないバカ。
でもさ、
・・・なんだそれ。
「なんだそれ」
それを話したら、俺が感じた思いと全く同じことを玉森は口に出していた。
現在、ディナータイムのオープンに向けて準備をしている。この時間、ホールは俺と玉森だけなので今日あったことを話していた。
各テーブルに調味料を置きながら、しっかりテーブルをアルコール除菌していく。そのあと、取り皿とお箸を並べていく。
ランチの片付けの時もやるけど、またしっかりテーブルを拭くのが店長のこだわりらしい。
「・・・やっぱり、可愛い女の子のがいいのかな」
「それでも、玉森の言う通り一緒にいれば"気持ち"思い出してくれるのかな?」
質問への返答がなく、振り返ると玉森はホールにいなかった。キッチンに何か取りに行ったようだった。
「あれ、タマ?」
自分で言ってて虚しくなる。
あの手紙の約束も。
昨日のように覚えてるのに。
それがすべて錯覚だったんじゃないかと思えてくる。
でもさ、あの日キスしようとしてくれたよね?
あれは俺の勘違いだったのかな…
考えながらもテーブルを拭いていく。
そんな時、キッチンで。
「・・・ふざけんなよ。オレがどんな思いで」
玉森がどんな気持ちでいてくれていたのかも気付かずに。ただただ甘えていた。
「ガヤがそんなふうにするなら。ミツは渡さない」
そう呟いているのも知らずに。
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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時