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「嘘でしょ…」
ポツリとタマが誰にも聞こえないような声で呟いたのが耳に入ってきた。
支えてくれた手に甘えるしか立ってる術がない。
タマを見上げる。
タマはゆっくり見下ろし優しく笑いかけてくれた。
「・・・ミツ。大丈夫だから」
そう言って後ろからポンポンと優しく肩を抱き寄せてくれる。
「ガヤ・・・だよね。久しぶり。玉森だけど。」
「あ、え・・・!もしかして、タマと北山!?」
「そう。」
「え、マジで!?元気だった?偶然・・・ってお前らこそ何でここに!?」
「・・・何を世迷いごとを。ミツを迎えに来たってことだよね?」
「・・・・なにそれ。何でオレが北山を迎えに来ないといけねーんだよ。ここに越してきたの。今年から、近くの大学に通うことになったから」
「・・・え、ここに越してきたって。・・・そこ?」
「おう。イギリスから帰ってきて。今年からこっちの大学に通うことになってさ。まぁ、多分お前らとは学年違うけど」
「そこって・・・ミツの隣り・・・」
「・・・そうなの?」
嬉しいのに。
頭に入ってこない。
藤ヶ谷の言ってることが頭に入ってこない。
日本に戻ってきたの?
同じ大学に通うことになったの?
でも、一目見て俺を思い出してくれなかったの?
迎えに来てくれるって言ったあの約束はあの言葉は嘘だったの?
ずっと、信じていた再会は
砂で作ったお城が綺麗に崩れ落ちるかのように、
虚空のものとなった。
何も無いのと同じ。
「・・・っ、タマ、もう行こーぜ!早く寝ないと夜もあるんだから」
「・・・・・・ッ!」
「ミツ、ちょっと!」
玉森の腕を振りほどいて、藤ヶ谷の目の前までいくと、思い切り睨んでやった。
「俺は今からタマと寝るんだから!邪魔すんなよ!」
「・・・!邪魔なんてしねーよ!オレはお前なんて知らねーんだから!」
「ちょっと!ミツ!」
この時の俺の勝手な勘違いの思い込みの幼稚な怒りのせいで、最悪な再会になってしまった。
あんなにも待ち焦がれていた再会だったのに。
ずっとずっとずっと逢いたかったのに。
・・・やっと逢えたのに。
この再会ですれ違っていくのも知らずに。
おまえはちゃんと、約束を守るために迎えに来てくれていたのにな。
本当に、自分を呪いたかった。
ちゃんと、分かっていれば、遠回りなんてせずに済んだのに。
逢いたかった気持ちがデカすぎて、
素直になんてなれなかった。
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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時