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29 F ページ29

「悲しいことに・・・ミツはこの5年間ずっとガヤを待ってた。そんなミツを知ってて、ミツのこと襲えるわけないだろ。ミツを傷つけることはオレの中で一番ありえないことだから」


甘々な表情でそう北山を見つながら言う玉森。
何よりも誰よりも北山のことを大切にし甘やかせていたんだと今なら分かる。オレがいない間・・・ずっと北山を守ってくれていたのは誰でもない、きっと玉森だ。


「ありがとう玉森」


北山をぎゅっと抱き寄せ玉森に頭を下げる。


高嗣は嬉しそうに何かちゃちゃを入れてくる。健永は何が起きてるのか分からないらしくわちゃわちゃしてる。そんな健永の口元をシーっとしながら高嗣が抑えていたのが横目に入った。二人にも頭を下げる。


素直になれば、よかった。
あの時に。強がらずに、素直になればよかった。
やっと逢えたのに。待っててくれたのに。
この腕の中の子が誰よりも愛しかったのに。


「おかえり、ガヤ」


玉森がそう言って笑う。


「ガヤさん、おかえりなさい」


高嗣も健永も続いて言ってくれる。


「ただいま」


温かい友情がここにはあったんだ。


「じゃあさ、ガヤにその子おぶってもらおーかな。荷物オレが持ってくから」
「ありがとう」


背中を向けるとまだ寝息を心地よさそうに吐いている北山をタマが乗せてくれて。そのまま靴を履き立ち上がると、本当に軽くて。筋肉はあるはずなのに。さすが小さい子。むにゃむにゃと発する声が可愛いくて口元が緩む。北山のカーディガンが肩から落ち首元が緩いためか素肌が晒される。


「ごめん、タマ。カーデ直してあげて」
「あーもう。ミツってば」


それに気付きタマにお願いすると呆れながらも直してくれる。
タマがオレと北山の荷物を持って、二人並んで歩き出す。
高嗣は健永の家に泊まるとかで反対方向へと歩き出す。また後日会う約束をして。二人を玉森と一緒に見送るっていると


「あ!ガヤさん!」


急に振り返った高嗣が大きな声で叫んできた。


「今日は腕時計してないんだねー!」
「え、ああ」
「それってミツのためだよねー!」


そう言って、笑って歩いていった。
腕時計・・・この前、高嗣と偶然あった時つけていたもの。父親から入学の時にプレゼントされたものだった。


「・・・なんかさ。よくわかんないけど。ガヤの気持ちが深すぎて、意地悪したくなっちゃった」
「へ?」
「ひとつだけ条件がある」


その条件は玉森から北山を奪ってしまうオレなりの償いでもあった。

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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時

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