王様ゲーム、継続。

命令7 ページ49

木兎「黒尾！」





夜久「ぼ、木兎！？なんでここに……」

木兎「夜久、黒尾いない？」



夜久は警戒に満ちた目で木兎を見上げた。と、ここで夜久の背後から孤爪が顔を出した。




孤爪「クロならトイレ。多分もうすぐ」

黒尾「木兎、なんでいんだよ」



木兎「未送信メール集めてんだろ？見せて」


なんの迷いもなく言った木兎だったが、黒尾は怪訝そうな顔をする。



黒尾「なんでお前が……」

木兎「赤葦がそんなこと言ってたなーって思い出してさ、赤葦も木葉も今疲れてるから俺が来た！」


どうやら伝達係として来たようだった。黒尾は木兎の実直さを計って息を吐いた。




黒尾「……スマホあるか？」

木兎「ある。はい」


木兎はスマホを差し出す。しかし黒尾は受け取らなかった。


黒尾「紙見せるから自分でメモしろ。俺は嘘つきたくないからな」

木兎「？分かった」


木兎は覚束無い指先で名前と文字を入力していく。









灰羽「研磨さん……なんで木兎さんが来たんですかね？」

孤爪「さぁ……ああ見えて仲間思いだし、赤葦が動けないから自分が動こうみたいな？」

灰羽「よく1人で来れますよね……殺されるかもしれないのに」

孤爪「……」


確かに音駒と梟谷は同じ都内の学校で、合同練習もよく行う。よって他校に比べれば比較的身内に近い。信用度もそれだけ高い。黒尾が情報を提示したのも、そういった理由があっての事だろうと孤爪は考えた。


でも、もし自分が木兎の立場だったら？単身で情報収集に動けるか？





孤爪「木兎さんは度を越した単細胞だから……」



死地を脱するにおいて思考は必要不可欠。しかし時に、考えすぎも命取りとなる。木兎のような即行動もまた、生き残るためには必要なことだろう。




孤爪「まぁ今回は運が良かっただけかもしれないけど」





それが吉と出るか凶と出るか、最後は運なのかもしれないが。

あなたならどうする？→←命令7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す