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あれから席が離れたけど、
屋上で2人で過ごす時間が増えて、
玲於くんはわたしのことをAと呼ぶようになった。
「いいじゃん、夏服」
「ほんと?」
綺麗に結べたスカーフを解こうとする手を制すれば
ふっと笑ってわたしの手を握る。
屋上でお弁当を食べようとして見えた、飛行機雲。
「ねぇ、飛行機雲だよ」
「うわ、かっけー、」
『なんか、飛行機雲っていいよね』
あの日突然話しかけてくれたから、
玲於くんのことが頭から離れなくなって。
わたしと玲於くんを繋いでくれた、飛行機雲。
「…今度、飛行機雲がよく見えるとこ連れてったげる」
「…その話のった」
「しょうがないなぁ」
「なんで上からなんだよ(笑)」
それは澄んだ空にくっきりと現れて、
いつの間にか消えてしまうけど、
わたしたちには消えない、飛行機雲。
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り(プロフ) - 亜嵐LOVEさん» はじめまして!読んでくださりありがとうございます うれしいです〜!他にもお話載せているのでよければどうぞ! (2020年4月5日 19時) (レス) id: 470a32ab54 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - 今日見ました!このお話良かったです! (2020年4月5日 14時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:り | 作成日時:2019年7月14日 12時