嘘の石【Dr.STONE】 (ページ13)

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Z=12:裏七刀ページ13

「……」

火薬が完成したは良いものの、謎の狼煙が上がった。方角からして司ではなかった。他の人間……私ら以外にも石化を解いた人間が存在するって事かな……？だとすればいち早く仲間にしたいと千空なら考えるだろうね。

しかし、だ。今はそんな事を言ってる場合じゃあない。

司「今ここで誓ってくれないか。永遠に科学を捨てると」

このチート野郎、早くも辿り着いてしまった。加えて杠を人質にした。……彼にとって人殺しは躊躇を伴わない。石像だから躊躇無く壊せたという線に賭けてみても良いだろうが、もっと確かなものは無いだろうか……うーん……

「ちなみにだけど司、別の取引は聞きたくない？」

司「悪いがA、俺はもう君を信用出来ない。君は俺にいくつ嘘をついた？」

「さぁね、でもこうして君は優位に立ってる訳だし、全部チャラって事にしない？その方が平和的解決な気がするんだけど」

司「君は俺が何も分かっていないと思っているようだけど、俺からしたら分かっていないのは君の方だよ。A、その場しのぎの嘘はやめた方がいい」

「そうだね、じゃあやめるよ！」

いつものように笑って言う。……ただ、こんなのに意味は無い。ただの時間稼ぎだ。

千空「……クフフ、無理だな……科学に嘘はつけねぇ」

司「…………。復活液のレシピは？」

千空「っ……」

杠「……言っちゃダメだよ、千空くん。私は……大丈夫だから」

……あーあ、そういう所だよ杠。そんな事言っちゃうから千空は教えちゃうんだって。

せっかくの時間稼ぎを無駄にしてくれちゃって。これもまた一興って訳？ウケるー。

司「……そうか。これで……君らを生かしていく理由も無くなった」

「ちょっと待った司。

私ももう嘘はやめる。こっからは真実だけを言うよ」

作り笑いはやめて、久しぶりの真顔で司を見上げた。司は品定めをするように私を見て、そして何だいと問うた。

「私は千空を死なせたくない。司は千空を殺したい。つまり私と司は敵って訳だ。

でも……もし、私が千空を諦めると言ったら。奪うのは千空の命だけにしてくれるかな」

杠「！？」

司「……それは、命乞いと取っていいのかい？君だけが助かる道を、君は選びたいと言いたいのかな？」

「……そうだね。

ごめん、千空。杠も。こういう奴なんだよ私は」

千空「……あ"ぁ……ンなの、とっくの昔に知ってたっつーの」

司の視線を背に、私はその場を後にした。