87発目 ページ4
「国見ちゃ〜ん」
「……」
「そんな顔しないでさぁ」
この人が俺に必要以上に構う時なんてろくなもんじゃない。絶対に"面倒臭い案件"か"説教"だから。
多分今回は
「あいつら相手にちょ〜っとやり過ぎじゃない？」
説教だ。
「確かに最初に手を出したのは俺だし、今回のことも俺が許可した上でのことだけどさぁ……」
「"今になって後悔してるんだよね〜"」
「って所だろうな」
「2人共黙ろうか」
そのまま花巻さんと松川さんに任せたいところだったけど。俺としては。
「俺も、CatとPhoenixは絡ませるべきじゃなかったと思う」
「俺も思いました」
「矢巾さん最初こっち側でしたよね」
「……」
「まぁまぁ国見。あいつは及川側につきたくないだけだよ」
「松川さん！？」
「酷くない！？矢巾！」
「違いますけど！？」
あーこのまま話逸れてくれないかな……
「って！こんな茶番はどうでも良くて！」
はぁ……無理だったか。
「大丈夫ですよ」
「そう言い切れる根拠は？」
「ありません」
「清々しいw」
「あいつマイペースだもんな〜」
確かにこの国の7大勢力のうち2つを組ませるべきじゃないだろう。
最近まで拮抗して均衡を保っていた俺達の中に、10年前突如として現れバランスを狂わせたPhoenix。その実力はまだ測りきれてないけど、俺達と肩を並べてると評される程だ。凡人であるはずがない。
要するに、俺の予想通りに行くと面倒臭いことが多い。
「CatならCrowに持ち掛けると思ったけどな」
「俺も。でも違うってことは、そうしなかった理由があったってことだな」
「烏側に問題を見つけたのか……それとも奴らの方が都合が良かったのか」
岩泉さんの言うことは間違いじゃない。ただ、正解でもない。と思う。
「俺は……どっちもだと思いますけど」
「俺も。猫ちゃんの脳は物凄ーく頭が切れるみたいだし。あそこのボスもいやらしいからな〜」
「お前には言われたくないと思う」
「それな」
「人のこと言えるようになってから出直せクソ川」
相変わらず3人の及川さんに対する扱いが酷い。
「ま、どんだけ強かろうが頭が切れようがどうせアイツ以下。この国の最強はそう変わりはしない。癪だけどね」
心底嫌そうに、言った。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
