検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:13,962 hit

106発目 ページ23

「使命……?」




「受け継がれてきたものを守り、次に繋ぐ。それが俺の仕事だ」

「……まさか子供に託すつもりか?」

「俺達大人は子供に託すしかないだろう?善も悪も、過去も未来も。

もし彼らがそれを拒むなら、俺は甘んじて受け入れるさ。それが未来への選択だと信じてるから」



「……あんたは凄いな。俺はそんな覚悟も目標も無いままここまで来ちまったよ」

「ふっ……」

「何が可笑しいんだ?」

「いや。人を救うあんたと、人を殺しさえする俺。こうして話してるのが少し面白くて」


くつくつと喉を鳴らして笑う彼に、ほんの少し顔が熱くなるのを感じた。



「俺だって1人殺したんだ。救うなんて、もう言えねぇよ」


反論のつもりで言ったその言葉に、彼は即座に応答した。





「覚悟があると無いとじゃ、人を殺す意味は大きく変わる。

あんたには無いだろう。また人を殺せるか?人に銃を向けることができるか?


……出来ない人間の方が普通なんだ。あんたはそのままでいい」



柔らかい笑みの中に垣間見えた、覚悟のある人間の威圧感と威厳。





「あんた……友達居ねぇだろ」

「……そうだな。子供の頃から周りには大人しか居なかった」



「sparrowのボスさんよぉ、俺は確かに自分から人を殺すことは出来ねぇチキン野郎だけど……




あんたの友達として話すことは出来るぜ」




40歳の俺なんかよりもずっと若い、30歳の青年らしく、彼は笑った。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「お前の娘は元気にマフィアやってんぞ」


煙草の火を揺らして、月の無い夜に言葉を吐いた。

107発目→←105発目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。