101発目 ページ18
割と高ぇじゃねえかここ！何考えてんだアイ……
ﾎﾞﾌｯ
「あ……？」
「大丈夫ですか！」
「は？」
都合良く用意されてたマット。そして目の前で俺を覗き込む男。
「……誰だ」
「ボスっ！？ちょ、どうしたんすか！？」
俺の後ろで倒れるクロに目を向けたそいつ。
……ボスって呼んだな。Catの奴か？……つかアイツも何考えてんだよ……
突然、額に冷たいものが当たる。
「お前がやったのか？」
「……あ"ぁ？」
マットから立ち上がろうとする俺を、銃口を押し付けて制した、背の低い男。
「答えろ」
「……んな危ねぇモン押し付けんな」
「……」
既に指が引き金にかけられていた。
『まぁ待ちなよ』「待って、ナイト」
「どうかしたかブレイン」
「クロをやったのは2人じゃない」
『そうそう。少し予定が変わっただけ』
しれっと飛び降りてきて話に割入ったJACK。
『こいつを殺すより早くここから出ないと、あんたらも私らも、もちろんクロの命も危ないよ』
「……生きてるんだな？」
『すぐに医者に診せれば、助かるはず』
「……グレア、クロを車まで運べ」
「はいっ」
そう言って銃をしまったナイト。
『ちょっと待った。
クロはこっちで預かる。だから車を貸して』
「……信用出来る訳がない」
『クロの腹にはまだ銃弾がある。出血も多い。そこら辺の医者の手に負える体じゃないんだよ』
「じゃあお前らが手術でもすんのか」
『それは逆に死なせる事になるな。知り合いに腕の立つ奴がいる。その人なら信用出来ると思うけど？』
「俺はそいつの話をしてるんじゃない。
お前が信用に値するかを話してんだよ」
「ナイト」
俺の後ろで、あの金髪が声を上げた。
「俺が一緒に乗って行く。それでいい？」
「……」
ブレインはポケットに手を入れたままナイトの前に立ち、俺とJACKに背を向けた。
「もしJACKの言ったことが間違いなら……
車を横転させないように2人を殺す」
新月の闇夜の中、そいつの金眼が光って見えた。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
