検索窓
今日:23 hit、昨日:19 hit、合計:14,158 hit

91発目 ページ8

「お、案外早いお目覚めだね。まだ寝てても良かったんだけど」







「……ぶち殺す」


「そんな事出来んの?」

「知るか」



手足は縛られ、体は痺れている。隣には同じ格好の奴がもう1人。まだ気絶しているようだった。







意識を目の前のそいつから外さないようにちらりと周りを見た。




……白い。ウゼェくらい白いとこだ。所々エメラルドグリーンの装飾があんのがますますキメェ。







「……どこだ」

「お前なら分かると思うけど?まさか馬鹿な訳じゃないよね?」


確かに聞かなくても分かる。Leafのアジトだ。





ったく、こんな事になんならCatなんかと手ぇ組むんじゃなかった。






「俺はね、お前らと一度話してみたかったんだ」

「……はっ、こんなもてなしじゃあ話す気にもなんねぇな」

「うーん……確かにそうなんだけど、でも拘束を外したら逃げるでしょ?」

「ったりめぇだ。つかこんな拘束意味ねぇぞ。俺なら今からでも千切れるぜ」

「別に良いけど。でもホントにやって大丈夫?ここがどこだか、俺たちがどんなファミリーなのか、知らない訳じゃないでしょ」



しゃがみこんで嘲るこいつに噛みつきたい衝動を抑えながら、脱出方法に思考を馳せた。








すると、扉が開いた。






「KING」

「はいはーい!今行くー」

「……起きたのはそいつだけか」

「中々タフだよ。ROCKと同じくらい」

「知るか。さっさと行け」

「厳しいな〜」



KINGは鼻歌を歌いながら出て行った。ROCKと呼ばれた、他と比べたら少し背の低いそいつは、出て行かずに俺の前に来た。






「……俺ぁ男とお見合いする趣味はねぇぞ」

「俺もねぇよ」

「出て行けよ。じゃねぇと殺すぞ」

「縛られて動けないお前の言葉は説得力が無い」

「そーかよ」



隣の奴は起きる気配が無い。




「1つ忠告しとく」

「あ?」



ROCKは扉の前に立って、俺に背を向けたまま続けた。









「そのままだといつか死ぬぞ」




俺の思考回路を置き去りに、扉は閉められた。








「……余計なお世話だっつーの。








んなの覚悟の上だわ」

92発目→←90発目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すみた先生 | 作成日時:2021年4月10日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。