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Catのナワバリ内で適当にクロを降ろし、家に戻る。
「なあ、結局今回は何だったんだ？」
『Leafは誰でもいいからファミリーボスを殺したかった。適当に選んだCatが依頼したどこかも一緒に潰す算段だったんだろう』
KINGも本当に危惧していたのかもしれない。10年前まで保たれていた均衡が崩れたせいで勢力潰しを始める他無くなった。全てのマフィアは巻き込まないよう、特定のファミリーだけを潰そうと……
「要は均衡を保ちたかったワケか」
『そういう事になる』
「……で？俺らの利益は？」
『特になし！命あるだけ万々歳って感じ』
「……チッ」
ブツブツ言いながらハンドルをきった暁。運転の荒さから分かるくらいイラついてるなぁ……まぁそうといえばそうか。私らは利益を最優先に動くから。
『悪かったよ、今回は私の判断が甘かった』
「あぁそうだなっ、おかげで俺らは赤字だっつーの」
『うーん……』
車が停まったので降りる。ロックを外し、玄関で待っていたスーニの頭を撫でながら進んだ。キッチン脇の階段を降りて、地下のサーバールームのチェアに腰掛けた。
『まっ、しばらくは情報戦といこうか』
「はぁ……俺苦手なんだよそういうの」
『まぁまぁそう言わずに。物理的に動くよりこっちの方が色んな奴と接触出来る。世の中には悪ーい情報が欲しい人間がいっぱい居るもんだしね』
キーボードを叩き、ある裏サイトの掲示板に仕事請負の旨を記載した。これで食い付いてきた奴らから金を少しずつ取っていけば……
『2ヶ月くらいで元は取れるんでない？』
「……お前のそういうとこ嫌いじゃないぜ」
『私のポテンシャルだからね〜』
しばらくはここに籠ることになるだろうと悟ったのか、暁は嘆きの声を上げてからデスクに向かった。
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2021年4月10日 18時
