検索窓
今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:11,823 hit

誇りが22つ ページ24

「煉獄家なのに呼吸が違うんですって」

「あそこは代々炎柱を務めてらっしゃるのにねぇ」

「お父様も大変よね」





「あ、姉上……」

『いいんだ千。私が悪いのだから』

「でも姉上は……」

『千。たとえ呼吸が異なっていても、私は煉獄家長女の煉獄嘉柳だ』




あんなことは言われ慣れている。呼吸が違う、柱にはなれない、女だから。言いたい者には言わせておけばいいんだ。

私には味方がいるのだから。









「お前に教えるのはもうやめる」









ある日突然告げられた。父上は酷く冷たい顔をしていた。薄々勘づいてたはいたのだ。だが、いざ正面から言われてしまうとな……





「大丈夫だ嘉柳!お前には才能がある!」

『うん……ありがとう杏寿郎』





天と地の差があるのは理解していた。父上は杏寿郎と千寿郎には教え続けていた。私には家事を覚えさせ、兄弟には剣術を指導した。


私は杏寿郎が苦手だった。明るく、どこまでも真っ直ぐなお前だったから……私に向けてくれた言葉は嘘ではないのだろう、慰めなどではなかったのだろう。それでも、私には辛かったのだ。女だから駄目なのか?父上に認められたい、杏寿郎と対等でありたい。




私の使う呼吸は、他のどの鬼殺隊員も使わない新しい呼吸。どの呼吸から派生したのかすら分からない。父上から習った炎の呼吸は私には合わなかったのだ。3人とは離れた所でただひたすらに木刀を振っていた。どう息をすればいい、どう動けばいい、どう斬ればいい。そんな事を家事の合間に考えていたら自然と出来てしまったのだ。




『父上!私にも呼吸が使えるようになりました!新しい呼吸です、私に合った型も作りました!』



これで父上も認めてくれるだろう。そう思っていたのに。






「なんだそれは。煉獄家は代々炎の呼吸しか使ってこなかったというのに……なんだその訳の分からん呼吸は。地の呼吸だと?


お前は、煉獄家の者ではないのか」



『いえ……私は煉獄家長女です!』



「いや、お前は……」




聞きたくなかった。父上の口から勘当の言葉が出てくるのを見たくなかった。





私はただ、認めて欲しかったのだ。

誇りが23つ→←誇りが21つ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄 , 長女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。