誇りが17つ ページ18
『逃げなさい。麓には私の仲間がいます。この道を真っ直ぐ行けば辿り着けます』
一目散に走っていった住民たち。よし、これでいくらか戦いやすくなったな。
「大事な食糧をみすみす渡すと思う?」フッ
『それが血鬼術か』ザッ
「っ!」
姿が消えたと思えば私の真後ろに移動。恐らく瞬間移動か……ならば
地の呼吸 参の型
『万物斬』ジャキッ
「キャアッ!……何よこれ!」
『動けないな。何故だか分かるか?』
四肢が無くなった鬼。再生も出来ない。
『大地は皆私の味方だからだ』
自然界には様々な毒がある。身体に良いものもあれば、死に至らせる猛毒だってある。私は独学でこの世のほとんどの毒を調べ上げた。もちろん、
鬼に効く毒だってある。
『さて、何も出来ないお前に聞く。
お前は十二鬼月か?』
「そうよ!」
『なら何故
「っ、……」
『下弦ならば片目に、上弦ならば両目にそれぞれ数字が刻まれるはずだ。なのに何故お前には
"鬼"としか刻まれていないのだ?』
「……お前には変わらないわよ。私がどれだけ苦労したかなんて」
『分かりたくもないな。お前は罪もない人間を大量に殺したのだから』
奇妙な鬼だ。両目に鬼と印された鬼なんて見たことも聞いたこともない。十二鬼月ではないのか?
「お前ら鬼殺隊だって!たくさん殺しているじゃない!!」
『私達が斬っているのは鬼だ。人を殺した人外だ。罪もない者を傷付けているのはお前達じゃないか』
「あの方はそんな無慈悲ではない!」
『鬼舞辻か』
「そうよ!私は特別なの!あの方に認められ、期待されている!十二鬼月なんかよりも余っ程凄いのよ!!」
『下弦ならまだしも、上弦はこの程度では倒れんぞ』
「!」
しのぶの姉、カナエ殿は上弦の弐に殺された。カナエ殿の気質もあっただろうが、どんな人間でもカナエ殿は柱だった。なのにその柱さえものともせず殺害した。
『弱い、弱すぎる。
貴様は
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地の呼吸
参の型 万物斬(ばんぶつざん)
あらゆる物をも斬れる、剣術に優れた嘉柳だからこそ成せる技。今回は斬りつける瞬間に傷口に毒を塗った。
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作者名:すみた先生 | 作成日時:2020年10月25日 19時