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「大丈夫か?」
『えぇ。ありがとうございます』
差し出されたタオルを両手に持ち、思いっきり顔をつける。あら、いい香り。
少し目を開けただけなのに、視界いっぱいに飛び込むのは赤、赤、赤。
先程までいい香りだったのに、もう鉄の錆びた匂いしかしなくて、思わず顔を歪めてしまった。、
「Aッ!!」
『?太宰。どうしたの?』
「やっぱり………血だらけだね。痛かったでしょ?不死身と言えど痛みは伴うなんて、」
『そうね。厄介な力だわ。』
腕の血を摩るように拭けば、視界が反転した。目の前は、目を見開く太宰と、すぐ近くにある織田さんの顔。
『えっ……………』
「織田作?!」
「足が深手だ。医務室まで運ぶから、医療班に見てもらえ。」
『え、いや……傷はすぐ回復しますよ?』
「そうなのか?なら、シャワーを浴びて綺麗にしろ」
『あ、はい……』
「太宰、車持ってきてくれるか?」
私と同じようにただただ驚いて口を開けていた太宰はハッと我に返り、踵を返して言った。
織田さんが向き直る。
「………お前は、自分の異能が、嫌いか?」
『…………好きか嫌いかと聞かれれば嫌いです。けど、異能力は私自身の一部ですもの。家族を嫌いになれないことと大差ないでしょう……………恐らく』
「そうか。………でもな、不死身だからって傷ついて良いわけじゃないんだ。お前が傷つくと、太宰は見たことの無い顔になる」
『?どのような顔ですか?』
「そうだな………。中原準幹部の蹴りをガードなしで受けた顔、だな」
『ガードなし?………あらあら、見たことないですねぇ。』
「だろうな。お前の前では、格好良くありたいんだろう。あいつも、子供だからな」
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A(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございました! (2018年3月15日 8時) (レス) id: ac1a14e4fb (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月15日 8時) (レス) id: 7e94334cd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2018年3月15日 8時