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それから、お望み通りパスタ、グラタンを半分に分け食べた。カニ雑炊だけは1人で平らげており、そういや太宰もカニ好きだったな、と思い出す。
『あのね。確かに治は織田作といる時いつもより構ってくれないけど、織田作と安吾とは私も仲が良いから寂しくはないよ。』
「そーかよ。」
『うん。でも、中也といる時が1番楽しい………………………ふふ、顔真っ赤。わかりやすーい』
白く細い人差し指て頬を刺され、やめろとやんわり拒んだ。こいつは、いつから、こんなに素直になった。
『さ、もう帰ろう。治も帰ってる』
「?彼奴がこんなに早い時間に帰るか?」
『帰るよ。なんていったって、可愛い可愛い妹が、何処ぞの蛞蝓さんに襲われているかもしれないから、ね』
「襲うわけねーだろお前なんか」
『そんな事言ってー中也が任務で付き添いに選ぶ女性が私だけなの知ってるんだからねー』
はぁ!?
目を見開けば、くすくすと心から楽しそうに笑うA。
どうやらこの女には、本音という本音まで見透かされているらしい。それでも、
「……おら、行くぞ。」
『はーい。あ、明日もご飯食べたいなぁ』
「巫山戯んな」
『そんな事言って、貴方が持ってる端末で”横浜 レストラン”って検索しようとしたのは分かってるからね?お金払うまで外で待ってるから!』
「………………………」
それでも、好きな女の前では、かっこつけたい、お年頃。
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作者名:A | 作成日時:2018年3月19日 13時