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仕事が終わり、帰宅の準備をする。今日はずっとデスクワークだったため、肩や腰が痛い。
それでも1人で行うよりかは大分早く終わった。
『中也は脳筋だからねぇ。私の方が効率早いよ?』
「うるせぇ!」
ドアの前でまだかまだかと騒ぐAに一寸待てと宥め、太宰に電話をかける。
「あ、中也。仕事終わった?今日は早かったね」
「いい加減自分の仕事は自分でやれ社会不適合者!!Aが手伝ったんだよ」
「え、A中也といるの?織田作とバーにいるから来ればって言ったのにー」
ちゃんと送り届けてよ?それだけ言ってさっさと切りやがった馬鹿はさておき、Aに声をかける。
「お前太宰と呑めば良かったんじゃねーか。織田作もいるってよ?」
『んー?いーの!中也奢ってくれるじゃない!』
「てめぇそれが狙いか!」
『もーうるさいなぁ。織田作と居ると治相手してくれなくてつまんないの!早く行こう?』
ぐい、と腕を捕まれ廊下を出る。もしかして此奴、太宰が構ってくれないから織田作に嫉妬してんのか?
Aを助手席に乗せ、車を発進させる。助手席の方に投げていた飲料水を飲みながら窓の外を見つめるAは、何処か寂しそうだった。
「………あー、おい」
『?なに?もしかして間接キス意識したの?』
「ンなわけねーだろ馬鹿野郎。……太宰がな、ちゃんとお前を家に送れよって言ったんだよ」
『?うん、そーなんだ』
「だから………あー、あの太宰が人の心配すんのは珍しくてよ………、えー織田作と呑んでてもちゃんと、お前を心配してんだな、て………」
『………………もしかして、私が治に構って貰えなくて寂しいと思ってるから、励まそうとしてる?』
図星だ。何も言えず運転していると、隣で俯きながら肩を震わせてるのが分かって、とても恥ずかしくなった。
「笑うんじゃねぇ!!!!」
『ごめっあはははっ!!中也、そんな事でっ気を使ってくれたんだっふふ、フォロー下手すぎ』
目に涙を浮かべていたの片手で掬いとってやった。ありがと、と素直にお礼を言われると、何て返せば良いのか分からない。
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作者名:A | 作成日時:2018年3月19日 13時