検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:10,061 hit

ページ4

仕事が終わり、帰宅の準備をする。今日はずっとデスクワークだったため、肩や腰が痛い。
それでも1人で行うよりかは大分早く終わった。



『中也は脳筋だからねぇ。私の方が効率早いよ?』


「うるせぇ!」




ドアの前でまだかまだかと騒ぐAに一寸待てと宥め、太宰に電話をかける。



「あ、中也。仕事終わった?今日は早かったね」


「いい加減自分の仕事は自分でやれ社会不適合者!!Aが手伝ったんだよ」


「え、A中也といるの?織田作とバーにいるから来ればって言ったのにー」


ちゃんと送り届けてよ?それだけ言ってさっさと切りやがった馬鹿はさておき、Aに声をかける。




「お前太宰と呑めば良かったんじゃねーか。織田作もいるってよ?」


『んー?いーの!中也奢ってくれるじゃない!』


「てめぇそれが狙いか!」


『もーうるさいなぁ。織田作と居ると治相手してくれなくてつまんないの!早く行こう?』



ぐい、と腕を捕まれ廊下を出る。もしかして此奴、太宰が構ってくれないから織田作に嫉妬してんのか?
Aを助手席に乗せ、車を発進させる。助手席の方に投げていた飲料水を飲みながら窓の外を見つめるAは、何処か寂しそうだった。




「………あー、おい」


『?なに?もしかして間接キス意識したの?』


「ンなわけねーだろ馬鹿野郎。……太宰がな、ちゃんとお前を家に送れよって言ったんだよ」


『?うん、そーなんだ』


「だから………あー、あの太宰が人の心配すんのは珍しくてよ………、えー織田作と呑んでてもちゃんと、お前を心配してんだな、て………」


『………………もしかして、私が治に構って貰えなくて寂しいと思ってるから、励まそうとしてる?』




図星だ。何も言えず運転していると、隣で俯きながら肩を震わせてるのが分かって、とても恥ずかしくなった。



「笑うんじゃねぇ!!!!」


『ごめっあはははっ!!中也、そんな事でっ気を使ってくれたんだっふふ、フォロー下手すぎ』



目に涙を浮かべていたの片手で掬いとってやった。ありがと、と素直にお礼を言われると、何て返せば良いのか分からない。

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:A | 作成日時:2018年3月19日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。