捻れた赤い糸【ツイステ】【ヤンデレ短編】 (ページ3)

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最後の仕上げに筆を走らせ、塗り残しはないかと画用紙に目を光らせる。

そんな時、先輩が口を開いた。

「アンタは、この絵を描き終わった後は何を描くつもりなの？」

多分、最後の質問だ。

少し名残惜しかったから、考え込むふりをして間を延ばす。

「…私、先輩をモデルにして絵を描いて、沢山のことを学べました。」

会話をして、コミュニケーションをとって
見た目だけじゃ分からない一面を知って

それを筆に乗せて表すこと。

それが大事だって知ることができた。

「絵描きとして少しだけ成長できたと思います。
…だから、」

「だから私、もっと色んな人をモデルにして描いてみたいなと思って。」

あ、でも先輩みたいに快くモデルをしてくれる人はきっと少ないですよね…あはは、

「…そうね。」

つまらない話をしてしまっただろうか。

表情では分からないが、先輩の声がいつもより暗かった。

作業を続けていると、再び先輩は口を開いた。

「A、袖が絵の具で汚れているわ。シミになる前にすぐ洗ってきなさい。」

筆を止め、目を絵から自分の腕へ移すと、
確かに袖が紫色に染まっている。

「でも、」

いちいち洗いに行ったりなんかしたら
ない時間を空けてくれている先輩に悪い。

「最後だからって急ぐことはないわ。」

「…はい。すぐに戻ります。」

私は、小走りで水道に向かった。

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水道で水を流し、他の部分は濡らさないように気を付けながら袖の紫を落としていった。

染め上げられた水が流れていく様を見て、

(あれ、私、今日はこの色の絵の具使ってないはずなんだけど…)

妙な違和感に駆られた。