プロセカ短編集｢神代類｣たまに天馬司

ずっと好きだった｢神代類｣ ページ13

※ほぼ夢主


ずっと好きだった

毎日学校で爆発して、先生に追いかけられてて、A組の子と2人で変人ワン・ツーなんて呼ばれてて、不真面目で授業もしっかり聞いてないのに学年で上位にいる

引っ込み思案な私は、そんな彼を見てるだけで勝手に幸せになってた

でも彼も、なにも取り柄のない私を好きになってくれて付き合えることになった

告白は彼からだった

｢真面目で、みんなから忘れ去られている教室の花に水をあげたり、声をかけてあげる姿を見て、好きになったんだ
良ければ、付き合ってくれないかい？｣

いつも余裕そうで教室ではつまらなそうな顔をしている彼が、顔を真っ赤にしながらそう言ってくれた

だから──

こんな私を好きになってくれるだけで、付き合ってくれるだけで満足しないといけないのに

類くんは、ワンダショの仲間が大事で、大好きで

仲間じゃない私なんかじゃその輪には入れなくて

勝手に悲しくなって、寂しくなって嫉妬した

ワンダショのメンバーは
類くんの幼なじみで歌がとっても上手で可愛い緑の女の子と

いつも元気いっぱいで明るい笑顔が可愛いピンクの女の子と

A組の変人ワン・ツーのワンの方の男の子

類くんは特に幼なじみの子と仲がいいみたい
幼なじみで家が隣で子供の頃から一緒に遊んでたみたいだから、当たり前なんだけど

ふたりが一緒にいるのを見るだけで、胸が苦しくなった

付き合って半年ほど経つけど、私には学校の中だけでしか関わってくれない

たまに朝学校に行く時に会えると一緒にそのまま教室に行くし、クラスが同じだから授業と授業の合間のちょこっとした休み時間にお話したりするけど、彼はショーの話をするために天馬くんと幼なじみの子とさっさとどこかへ行ってしまうから、お弁当を食べるのはいつもひとりぼっち


我慢しないと、こんな私を好きになってくれるだけで、付き合ってくれるだけでありがたいんだから、我慢しないと、泣いちゃダメ

でも、辛い、なぁ………

私は、ついに我慢できなくなった
原因は分かってるよ
私が引っ込み思案で、会いたいなら、話したいなら自分から会いに行けばいいのに、何も行動しなかった私が悪いんだから
辛くなる資格はない

それでも、彼の負担にはなりたくないから、この気持ちに蓋をしなくちゃいけない

その日の放課後、彼を屋上に呼んだ
全てが始まったこの屋上で、全て終わらせよう

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