こちらは選手お悩み係です。

お悩みファイル21 ページ22

「作戦開始ですね」



「作戦って…面白いね」





川端さんは、爽やかに笑って歩き出した。





「…ストーカーさんはいますか？」



「もう、後ろにいるよ」



「え、」






もう！？早すぎじゃない？




少し後ろを見ると




女の人が着いてきていた。







「川端さん、家って知られてますか？」




「いや、知られないようにしてるけど」




「川端さん走ってください、家まで」




「え？Aちゃんどうするの」




「私が捕まえて話をします。だから早く」






川端さんは心配そうに眉を下げながら





「無事でいてよ？わかった？」




と小さい声で言った。





「もちろんです」





私が振り返った瞬間に




川端さんは走り出した。






「待ってください」




『…あんた川端さんの何？』




「その言葉そのままお返しします。迷惑なのわかってるんですか？」




『私が一番、川端さんを好きなのにっ…振り向いてくれないのよ！』






呆れた。




だいたいね、貴女のこと川端さん知らないし






「これ以上、川端さんを困らせたら許しません。ファンなら選手に迷惑かけちゃ


いけませんよね」




『ちっ』






女の人は舌打ちをして、帰っていった。





「川端さん、桜井です。無事追い払いました！」




『怪我はない！？大丈夫！？』




「はい、もう来ないと思います。」




『ありがとう。気を付けて帰ってね』




「はい、失礼します。」






手を出してこなくて良かった…




まぁ、出してきても大丈夫なんだけど




なんたって、武術習ってましたから。

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