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No.111 ページ11

「……木ノ下さん」


あ、と私は慌てる。



「め、目黒くん、はいっ!」


持っていた鞄からハンカチを取り出す。



「……なに」


怪訝そうに目黒くんは突然手渡されたハンカチを見つめた。



どう言ったものだろう、と私は困惑する。



「え、えっと……


泣いてるからハンカチを……」



その途端、

かっと目黒くんの顔が赤く染まった。


あ、林檎みたいだと私はぼんやり思う。



ぱっと目黒くんは俯いた。


「……目黒くん?」


そのまま目黒くんは腕で顔を擦る。



ハンカチは受け取らないのだろうか、と

出した手をおずおずと戻した。


「えっと……」


「――姉さんが家を出てから、

俺はずっと自分が姉さんをあんな風にしたんだって思いが消えなかった。


……思い出すたびに苦しくてたまらなくて――

でも認めたく、なかった。


認めたら本当に、

自分はいない方がよかったなんて思ってしまいそうだったから。



……でも、木ノ下さんといるとときどき……」



顔を上げた目黒くんと目が合う。


私は黙って目黒くんを見つめた。



……目黒くんはふっと笑って目を逸らす。


「木ノ下さん。

せっかく来たんだし、遊ぼうよ」



「え……」


「本来、

ここにはダブルデートって目的で来たんでしょ?


じゃあ遊ばなきゃ損だよ」


私は慌てる。

でも、ここは目黒くんの家族との思い出がつまっていて、

辛いんじゃないのかと不安になる。


――だけど。



「……じゃあ

まずはお化け屋敷ね!」


そう満面の笑みで言った目黒くんに、


私は完全に心配する余裕を失った。

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作者名:いちご | 作成日時:2020年2月15日 18時

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