今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:39,910 hit
小｜中｜大
No.146 ページ46
「ありがとう、心配してくれて。
でも、もう平気だよ」
妹は少しだけ目を見開いて、安心したように笑った。
「……なら、いいか」
「ん？ なんか上からじゃない？」
「そりゃあ。
お姉ちゃんより私の方がしっかりしてる自信あるから」
そう言って、妹は胸を張った。
私は呆れながら、反論しようと口を開く。
「……あのねえ」
「……嬉しいよ、彼氏できて。
実は気にしてたんだ、気付けなかったこと……」
「……うん、」
妹は照れくさそうに笑い、
そそくさと自分の部屋に帰ってしまった。
ふと考える。
気が付いたらこんな話ができるくらい、
中学のことを乗り越えられている――。
こんなこと、
目黒くんと出会った頃は考えもしてなかった……。
――これが、
前に進んだってことなんだろうか。
虚弱な心は、
……少しだけでも強くなれた？
――木ノ下さんは、もう十分強いと思うけど――
そう言った目黒くんの表情には一瞬だけ翳りが見えた。
目黒くんはまだお姉さんのことを
気にしたまま――だけど
きっと彼は前に進んでる。
明日、……お姉さんが来てあのことの詳細もわかるはず。
その事実が、
少しでも目黒くんにとって
優しいものでありますように――。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちご | 作成日時：2020年2月15日 18時
