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No.56 ページ6

二人きりで話していたとき康二くんは言った。


「……Aちゃんって、松村のこと知っとる?」



……私は黙り込む。



「……知っとる、よな?」

康二くんが少し不安そうな表情をする。


でも、確信がなければそんなことを言う人ではないと、一緒にいて理解していた。


「……康二くん、松村くんの知り合いなの?」



それに康二くんがうん、と頷いた。


………松村くんは、どこまで話したのだろう。


「……よかった、知ってるんやね。

俺、松村に伝えてくれって頼まれてたんやけど、

Aちゃんのことなのか自信なくて」



「――何を言われたの?」




私は不安を押し隠し、尋ねる。


大したことじゃないよ、と言って康二くんが笑う。



「Aちゃん結構前に、松村と会ったんだよね?

その後で言ってたことなんやけど

松村がAちゃんになんかやらかしたんやろ?

やっぱり本人前にしたら言えへんかったってあいつへこんでたんやけど、

――ずっと言えなかったけど、……悪かったって言ってくれって……


そう頼まれた」


……そう、と私は呟く。



松村くんはあの日、私に結局ここに来た意図を話してはくれなかった。



………彼も、何かしらの葛藤があったのだと思う。


――それは分かっていた。

だから、私はおそらく、そこまでの憎しみを抱えていないのだと思う。

……でも、



―――――それでも。


「……ごめん。


許せないって伝えてほしい。


だけど、ありがとう。



その後悔で、私じゃなくて、他の人に優しさをあげてほしい。


……もう私のようなことなんて、絶対にしないように」




救われたとは思わない。


だけど、


……彼らへの恨みは

ほんのすこし晴れた気がした。

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作者名:いちご | 作成日時:2020年2月11日 11時

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