それでも好きになった。② (ページ7)

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これで一ヶ月か、と渡辺くんが言った。

「……ああ、目黒くんと川波さんの一ヶ月記念日なんだ。

――もう、一ヶ月経ったんだね」

好きになったんだろうな、と思った。

川波さんと私は数回話したことがある。

いずれも大した内容のことではないけれど、

川波さんがとても可愛くて優しい人なのはよく分かった。

……目黒くんも、好きな人を作ることができたんだなあと思う。

そう思ったら喜ぶべきなのに、ちくりと痛みが走る。

まあ……私の心境は何も関係のないことだ。

「そうだ。

三人で、目黒と川波さんの様子、観察しない？」

渡辺くんが楽しそうに笑う。

湊ちゃんが心配そうに私の方を見たので、大丈夫と言っておいた。

「……帰りをつけるってこと？

悪趣味な……。

私は参加しない」

「……木ノ下さんは？」

「私は………参加していいかな」

え、と湊ちゃんが驚く。

「Aがいいって言うなら参加する！」

彼氏より友達かよ、と渡辺くんがぼやいた。